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クラスター株式会社のソフトウェアエンジニアです。エンジニアリングや読書などについて書いています。

「チームが機能するとはどういうことか」を読んだ

【2016/09/26 12:30補足】

 思ったよりこの記事が読まれてしまったので補足。ちょっと本についてネガティブなことを書いてしまったけど、僕個人が今の知識の状態で読んだ時に、1分間マネージャーシリーズなどの他の書籍である程度知っていた事もあって、文章を読む大変さに比べて満足度が低かったなあと感じただけでした。もし自分がマネージャをやっていて、かつなぜか部下への指示が多くなってしまい、自分の考える時間が少なくなってしまっているなあと思っている人は一読すると良いかもしれません。特にフレーミングの話は参考になると思います。

 ただ、個人的にはこの本は少し長々としているなとも思っているので、先に他の人が読んだ読書ブログやnaoyaさんのプレゼンを読んでから読むと良さそうです。さらに各章の最後にLessons & Actionsみたいなまとめがあり、その部分が章で言いたいことを端的に表しているので、先にそっちを読むと良いかもしれません。

 ちなみに僕は1分間マネージャーというシリーズがむちゃくちゃ好きで、マネージャーで自分の時間を取れないなあと思っている人はむしろそちらのほうをおすすめしたいです。この本は一つ100ページから200ページまでしか無くて、しかも小説っぽい形式でかなり平易にかかれているので、一瞬で読める割に学ぶことが多いです。特に以下の三つの本がおすすめ。

【2016/09/26 12:30補足終わり】

【ここから本題】

開発組織マネジメントのコツ - Speaker Deckにおすすめと書かれていたので読んだ。

個人的には結構微妙だった。チームマネジメントに関することで非常に良いことは書いてあると思う。しかし、この本でしか述べられていない言葉の定義を理解をしなければならなかったり、短く説明すればいいことを長々と説明していたりで、言っている内容の割に読むのが大変という感じだった。

正直なところ、この本で言いたかったことは上のスライドでかなりの部分が理解できる。なのでそちらを参照するくらいで良いのじゃないかなーと思った。また補足としていくつかのブログエントリを読んだら良さそう。

speakerdeck.com

読書メモ

一応最後に読書メモだけ載っけておく。

  • チーミングとは、新たなアイデアを生み、答えを探し、問題を解決するために人々を団結させる働き方 507
  • 成功しているチーミングは次の四つの特別な行動を伴う 958
    • 率直に意見を言う。チーミングの成功は、個人間でじかに、誠実な会話ができるかどうかにかかっている。会話には、質問すること、意見を求めること、過ちについて話すことが含まれる。
    • 協同する。協同の姿勢と行動があって初めて、チーミングはプロセスを推し進めることができる。これはチーミングを行う所定のグループのうちでも外でも言えることである。
    • 試みる。チーミングでは何度も試みが行われるが、これにより個人と個人の交流につきものの新奇さと不確実性を受け容れることになる。
    • 省察する。チーミングでは、プロセスと結果をしっかり観察し、明瞭に質問し、よく話し合うことが重視される。これは、毎日であれ、毎週であれ、あるいはそのプロジェクト特有のタイミングであれ、仕事のリズムに応じて常に行われる。
  • 次の四つの戦略は、対立を緩和し、チーミングの成功に欠かせない協調的な取り組みがしっかりできるようにするものである 1298
    • 対立の性質を見極める
    • 優れたコミュニケーションを具現化する
    • 共通の目標を明らかにする
    • 難しい会話から逃げずに取り組む
  • チーミングを促進する四つのリーダーシップ行動 1415
    • 学習するための骨組みをつくる
    • 心理的に安全な場をつくる
    • 失敗から学ぶ
    • 職業的、文化的な境界をつなぐ
  • 学習フレームを確立するための、四つのステップ 1867
    • 登録。プロジェクトのメンバーが熟慮の上で選ばれていることを伝える。プロジェクトの目的を伝える
    • 準備。職場を離れてセッションをひらき、新たな技術などの変化がもたらす結果について、気兼ねなく意見を交わす
    • 試行。新しい考え方や、プロセスや、ツールを試してみる。どんなことが起こるか細かく注意を払う
    • 省察。試行の結果について話し合う
  • 学習しながら実行することの土台 4034 ☆

「きょうも京都で京づくし」が出版されました & 読みました

以前このブログで、漫画のアシスタントをして感じたこと - $shibayu36->blog; という記事を書きましたが、その時に手伝った「きょうも京都で京づくし」という本が出版されました。

 この本は生まれてからずっと京都に住んでいる著者が、正月から大晦日までの一年をとおして、家族でどのように京都を楽しんでいるかをコミック形式で書いた本です。京都の伝統行事・地元のグルメ・穴場スポットなど、地元民だからこそ知っている情報が多く載っています。

 京都のメジャーな観光名所は載っていませんが、京都をさらに楽しむための情報が盛りだくさんの本になっているので、京都を数回観光したけど他に面白い所ないかなあとかという人におすすめです。他にも京都に数年住んでいて、観光できるところやごはんが美味しいお店がないかなあと思っている人にもおすすめできます。僕は京都に住んでもう10年くらいで、大学にいたときにはある程度京都の観光をしていた方なのですが、この本で紹介されている行事やスポットは初めて知るものが多かったです。


 僕が個人的に一番面白いなあと思ったのは「ミッドナイト念仏」の話です。あるお寺でひたすら木魚を叩き続けるというイベントの紹介なのですが、最初に想像していたイベントのイメージと全く違うものが出てきて衝撃を受けました。本当に狂った感じのイベントで行ってみたいという気にさせられました。
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 その他、穴場の苔スポットや紅葉スポット、祇園祭のマイナーな観光どころ、おすすめカフェなど、いろんな観光どころが載っています*1。京都をもっと楽しみたい人は是非買って読んでみてください!

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*1:僕も登場しているので興味があれば探してください

医療情報の信頼性問題から、情報の受け手が心がけることを考える

bylines.news.yahoo.co.jp

 上の記事が素晴らしいなーと思ったので、関連して以前に医者に聞いた話とその話について自分が思ったことを書いておきたい。

 最近少し重めの病気にかかったこともあり、医療情報をインターネットを通じて調べるということが昔より多くなった。そのため、いろんな記事を見ていたのだが、そうしているとインターネット上における医療の情報や健康に関する情報は信頼性の低いものが非常に多いということが分かった。無意味に恐怖心を煽るような記事や、逆に無責任に症状について問題ないと書いている記事、他にも全く根拠の無い治療法について書かれている記事など、素人による記事が非常に多い。このような記事は病人にとって無益なだけでなく、暗い気持ちにさせたり他人に変なレッテルを貼られる原因となったりと有害である。

 このように医療情報や健康に関する情報は信頼性が低いことが多いのだが、それではインターネット上の医療や健康に関する情報は何を参照にすれば良いのだろうか。

 以前このようなことを、自分を担当している医師と話した時には

ということを聞いた。よくよく考えてみると、これは情報の発信者が信用に足るかをちゃんと見ないといけないよねという当然のことだった。けれど、こういうことはなんとなく忘れがちで、適当な情報を掴んで、発信者の信頼性を考えず、それを信じてしまうことが多い。

 これらの話から、情報の受け手として正しく情報を受け取るために、発信元を見極めるということをもっと心がけておきたいと思った。もちろん最初に挙げた記事に書かれているとおり、医療情報を発信する側は責任を持って欲しいが、しかし発信元全てが責任をもって記事を書いてくれるということはありえないだろうと思う。そのため、責任のない信頼性の低い情報があったとしても、情報の受け手側で防御できるようにリテラシーを高めておかなければならないと思った。