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クラスター株式会社のソフトウェアエンジニアです。エンジニアリングや読書などについて書いています。

漫画のアシスタントをして感じたこと

 最近、簡単な漫画(フィクションではなくコミックエッセイ)のアシスタントをやった。僕自身は絵は全く描けないので、やったこととしては単に肌の色塗り、単調な服の色塗り・トーン貼り、髪の色塗りなどを手伝った。

 これまで漫画には読み手という立場でしか関わったことはなく、書き手として初めて関わり、新鮮な体験を得られたので、感じたことを書いてみる。

手間がかかる

 まず一番最初に感じたのが、とにかく手間がかかっているということ。僕がやったところは、本当に単調で一番時間がかからないところだったけれど、それでも100ページくらい担当すると大体丸二日くらい時間がかかった。やった作業としてはおそらく全体の2~3%くらいしかなく、これとは別にネーム、ペン入れとか、トーンや色で絵の技術が必要なところとか全部やろうとすると、どれだけ時間がかかるのだろうかと思った。週刊連載で毎週16ページくらい書かれているのは本当に大変だろう。


 また別の視点として、単調作業でも思ったよりも自動化されていないため時間がかかるというようにも感じた。実際に色を塗っていると、肌の色とか自動で塗ってほしいが、それが簡単に出来る機能は見当たらなかった。また、レイヤーとかも結局一回一回手動で作っていた。変更履歴もそれほどリッチには、つまりgitとかを使うように何が変更されたか見えたり、変更をピックアップしたりなどといったことが出来なかった。

 このあたり、まだあまりテクノロジーで解決されてなくて、今の段階では手間が非常にかかっている印象を持った。単純なところは自動で行われて、そのブラッシュアップにだけ人間が関われたら良いのにと感じた。


 これまで漫画は手間がかかっているだろうということを頭で理解はしていた。しかし、実際に手伝ってみると頭で理解していた以上に大変だということが分かった。漫画を作っている人たちには感謝して、とにかく漫画にはお金を使おうと思った。

物事の見方が変わる

 漫画で髪の色の塗りつぶしをするためにちょっと線を引くということをすると、最初は全くうまく線を引けない。とにかく自分で違和感を感じるのだけど、その違和感を言語化できない。そこが本当にもやもやした。

 このもやもやを解消するためなのか、なぜかテレビを見ている時に自然と髪の毛の形とかを見るようになった。他にも漫画を読んでいる時に、どのように髪の毛を書いているのかを見るようになった。


 ちょっと手伝っただけでも、このように物事の見方が変わるというのは面白い。自分で描いた題材の解像度が詳細になったみたいな感覚だった。

 実際にいろんな絵を書いている漫画家という職業の人は、このようなことが毎日起きていそう。これが何度も起こると、同じものを見ていたとしても自分とは全く違う世界が見えているのだろう。どのような状態なのか気になるので、またイラストレーターや漫画家の人とあった時にはそういうことを話してみたい。

まとめ

 漫画の手伝いをしてみて感じたことを書いた。いままでやったことのない経験をすると、物事の見え方が変わって、日々の生活にちょっと変化が起こったのが良かった。