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クラスター株式会社のソフトウェアエンジニアです。エンジニアリングや読書などについて書いています。

経験を積むほどインプット出来ていない感覚になりやすいのではないか

あらたまさんの「なんとなく最近インプットできていない気がする」というポッドキャストを聞いて、自分も似た感覚を持っていることに気づいた。5年、10年とエンジニアを続けていると、こういう感覚になる人は多いんじゃないかと思う。このことについて自分の考えをXに書いたが、もう少し整理してブログにしてみる。

インプットが薄く感じる理由

そもそもインプットできた感覚ってなんだろうと考えてみると、新しい知識を多く学べた時に強く感じるものなのかなと思う。

エンジニアになりたての頃は、本を読むとすべてが学びになってインプットできた感覚が強かった。どのページを開いても新鮮で、読んだ時間がそのまま成長につながっている気がした。

でも知識が蓄積されてくると、新しい本を読んでも「知っている内容」が増えてくる。「大体知っていたが、この本のこの部分だけが新鮮だった」という読書体験が増えた。同じ分野の別の本と同じことを言っているな、とか、別分野の知識をこの分野風に言い換えただけだな、とか、そう感じる体験が増えた。もちろんいろんな本を読めば読むほど自分の無知を知るのだが、その無知を埋めるための時間コストがどんどん高くなっていく。

結果として、時間単位の学びの密度が薄まって、実際には時間をとってインプットをしているのに、インプットできていない感覚になるんじゃないだろうか。

どう向き合っていくか

このことに対して自分なりにどう向き合っているかも書いてみる。

まず「そういうものだ」と割り切ることにしている。焦っても仕方ないし、地道に続けるしかない。インプットした感覚が薄くても、1年ほど続けていたら思っていたより学べていたという体験もあるので焦らないようにしている。

また、最近はAIを活用してピンポイントで学ぶようにもなった。自分が知りたいことを的確に聞けば、既知の部分をスキップして効率的に学べる。ChatGPTなどを使って、自分のレベルに合わせた説明を得られるのは便利だ。これによって時間単位での学びの密度を高められ、インプットした感覚を多く得られるようになった。

さらに別分野をあえて学んでみることを意識している。僕の場合は今まであまり学んでいない経営を学ぼうと最近思い、世界標準の経営理論を読み始めた。全く知らない分野だと、また「全部が新鮮」になりやすい。ただし仕事に関わるものでないと自分はモチベーションが続かないので、多少仕事に関わり、かつ、今までは学んでこなかった分野を選ぶようにしている。

まとめ

経験を積んだエンジニアが「インプットできてない」と感じるのは、きっと自然なことなんだと自分は思う。むしろそれは知識が蓄積された証拠なのかもしれない。焦らずインプットは地道に続けつつ、AIでのショートカットも活用しながら、あえて別分野に手を出してみるという感じでやっていこうと思っている。