ブログを書くまでがカンファレンスということで、RSGT2026に参加しました記事です。
今回参加したのは、「開発フロー改善がうまくいって知見も溜まったし、どこかで発表したいな」と思った時にたまたまRSGT2026のプロポーザル応募をしているのを見て、勢いでプロポーザル応募したのがきっかけ。結果的にプロポーザルも通り、初参加 & QAフローを最適化し、品質水準を満たしながらリリースまでの期間を最短化するという発表をしてきた。
初参加で、しかもこれまでスクラムやアジャイル系のイベントにはほぼ参加したことがなかったため、ほとんど知り合いがいないという状況だった。けれど今回の機会で色んな人と廊下や懇親会で話せて、興味深い議論をしたり知り合いを増やせたりしたなと思う。
セッションもレベルが高いものばかりで、特に以下の2つのセッションが参考になった。両方とも深い知見であると同時に、会社でまず一歩目を踏み出せそうな内容だった。
このような貴重な機会を作ってもらい、スタッフの皆さんありがとうございました。また来年も発表のネタを作って登壇できたらなと思います。
スピーカーディナー
知り合い全然いない!という状況でオロオロしていた。そんな中Bayashiさんが「ブログ見てます」と話しかけてくれて、さらには二次会にも連れていってもらえたのがとてもありがたかったです。
スポンサートークで市谷さんを初めて見て驚いた。昔「正しいものを正しくつくる」という本に感銘を受けていたので、参考になりましたと挨拶に行きたかったが、機会を作ることができず。また別の機会があれば話しかけにいきたい。
その場ではセッションなどには中々出にくいスタートアップ大変話が聞けて良かった。みんな大変なんだな〜と思いつつ、自分も大変な中頑張っていきたい。
An introduction to Beyond Budgeting – Business agility in practice
脱予算経営の話。僕自身は脱予算経営のことを全く知らなかったので勉強になった。このフレームワークを全部適用するのは難しすぎるんじゃない?と思いつつ、いくつかの考え方は使えそうだなと思った。
- 予算はないが何に使ったかは透明になっている
- 気づき: 透明性が異常な支出を抑えるという考え方が面白い
- 誰かが違反するのは絶対起こる。連帯責任にはしない、その人に対して厳しい対応をする。
- 気づき: これはルールを作る話にも似てる。失敗したからすぐに標準化したルールを作るとどんどん締め付けが強まる
懇親会で脱予算経営の話がいくつか出たが、全てをやろうとするのは逆に難易度を上げてるだけでは?という意見も出てきて面白かった。いくつかの会社では、予算の透明化&申請自体はノールックで承認ということをやっている会社があったのも興味深い。
「予算は最初に貰う的に妥当性をある程度判断するものである」と自分の中で固定観念があることに気づけた。
「アウトプット脳からユーザー価値脳へ」がそんなに簡単にできたら苦労しない
アウトプット脳になりやすい職能をユーザー価値脳へ意識変革するのは難しいため、アウトプット脳のチームとユーザー価値脳のチームに橋をかけようという話が良い。以下三つを行うことで橋をかけられる。
- 実験の設計
- 安全な小さな実験から価値検証を始める
- 会話の設計
- 話す順番から会話をデザインする
- KPIの設計
- 評価指標から「仮説の集合」への再定義
発表中や発表の後にも質問させてもらったが、一気にやるのが難しかったら(1)からやれば良いとしつつ、(3)ができないと説明が難しくて辛くなるという話を聞いて、めっちゃ納得してしまった。
「私の要求最優先!あなた後回し」そんな対立を超えてビジネス、開発、顧客が本当に欲しかったものを全両立するプロダクト組織の作り方
トレードオフを詳しく理解して、その理解を通して解決方法のパターンを知れる発表だった。発表中だけでは理解し切ることが難しく、次の日の朝に発表資料をもう一度読んで頭の中を整理していた。
「本当は〜したいが、仕方なく〜している」と思う時はあったが、その時にトレードオフ構造を図にして解決方法を探るという手法を使えてなかったなと気づいた。システム思考も関係しそうだし、もっと深く勉強して問題解決のアイテムとして身につけておきたいなと思った。
Day2でmoriyuyaさんに「トレードオフについて話しかけにいってもいいですか?」とXでメンションしたところ、快くOKしてもらい話すことができた。なんとコーチーズクリニックの場所に連れていってもらい、その場で1時間ほどノートに状況を書いてもらいながら会社の状況の整理をしてもらえた。とても頭が整理されたし、その時に得たものを一つずつでも実施していきたい。ありがとうございます🙏
自己管理型チームの一員となるためのセルフマネジメント:モチベーション編
行動を阻害するフリクションの種類とそれぞれの対応方法についての説明が、僕の中では一番参考になった。以下のように言葉にすることで、ざっくりとした認識をカテゴライズして次に進むときの指針にできそうだった。
- 物理的フリクション
- 作業のステップ数が多いなど物理的な手間
- 認知的フリクション
- 頻繁な通知により断続的に集中が途切れるなど認知的負荷
- 心理的フリクション
- 不安感や抵抗感により動けない状況
また発表の進め方として、モチベーションの源泉や身の回りのフリクションについて、それぞれ2分ずつ周りの人と話すという時間があったのは良い。発表を聞くだけだと自分の経験と紐づけることができず結果的に内容を落とし込めないことが多い。しかしこの時間があったことで一種の「経験」となり、その後の発表の内容を落とし込めるようになった。
ABC理論の話に繋がるのも面白い。最初ABC理論と聞いたとき、「聞いたことない理論だな?」と思ったが、よく聞くと昔自分の勉強した認知行動療法の話だと気づいた。認知行動療法、自分の感情を理解するのにすごく良いよね。
ちなみに僕は自分の気持ちが落ち込んだ時は「ファイブコラム」という手法を使っている。これは出来事に対して以下の順で言語化することで、自分の解釈のバイアスの矯正も行う手法。「それ以外の可能性のある考え方」を考えることで、自分のバイアスを見つけられるのが良い。
- 気分が落ち込んだ出来事
- その時に起こった感情と強さ
- その時心を占めた考え
- それ以外の可能性のある考え方
- 感情の変化と強さ
QAフローを最適化し、品質水準を満たしながらリリースまでの期間を最短化する
自分の発表。#RSGT2026 で「QAフローを最適化し、品質水準を満たしながらリリースまでの期間を最短化する」という発表をしましたの記事に伝えたいことは書いたので、興味がある人がいたら見てもらえれば。
AI時代のアジャイルチームを目指して - "スクラム"というコンフォートゾーンからの脱却-
AI時代だからこそ、チームで扱う変数を増やし、組織とチームの境目を積極的に溶かすという部分が良い。自分が無意識に定数にしてしまっているところを意識しないとなと思った。
懇親会でおよべさんに「モブプログラミングをしている時にAIからの返答待ちの時間は何をしてるんですか?」と聞いたところ
- 「プログラミング」をしているわけではなくて、「仕事」を一緒にしている
- 普段はAIの返答待ちの間に、別の仕事=Slackへの返信だったりその他だったりをしているわけで、そこも含めてモブでやる
- そうすることで、仕事全体を学ぶという学習効果も生まれるよね
と話していた。こちらも自分の中で「モブプログラミングはプログラミングを一緒にする」という固定観念を持っていたんだなと意識できて良かった。
AI駆動開発の時代〜小さなチームで世界を変えよう〜
発表を見ていての一番の感想は「AI時代に改めてエンジニアリングを楽しんでいるんだなあ」ということ。僕は楽しんでいるクリエイターが好きなので、そういう意味で良い発表だった。
AI時代だからこそビジネス方面にもどんどん出ていくチャンスだなと思うので、逃げずにやっていきたい。
最後に
今回の4日間で非常に刺激をもらえた。ここで得たものを現実を見据えながら一歩ずつ実践していきたい。



