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クラスター株式会社のソフトウェアエンジニアです。エンジニアリングや読書などについて書いています。

子どもについ怒ってしまう問題に対応する - 「どならない練習」を読んだ

子どもへの注意がだんだん怒りっぽくなってきてしまい、もっと良い注意の仕方を学びたいと思って「どならない練習」を読んだ。

この本では、子どもへの注意の仕方を「青カード(やるべき行動)」と「赤カード(やらない方がいい行動)」の2種類に分けて整理している。たとえば青カードには「代わりの行動を教える」「一緒にやってみる」「気持ちに理解を示す」「ほめる」などがある。赤カードには「あいまいな指示」「否定形(禁止)」「脅す」「質問風の攻撃」「長い説明」などがある。完璧を目指すのではなく、赤カードが出そうと気づいたら余裕がある時はちょっとずつ青カードに変更すると良いよと書かれている。

この本で良かったなと思うのは、ひたすら注意する状況の練習題が出されて、それに対して青カードを使ったらどうなるかを考えるという形式だったこと。たとえば「【場面】お菓子売り場へ猛ダッシュ! そんなとき、なんて声をかける?」というような状況を出され、「代わりの行動を教える」カードで言うならどうなるかを自分で考えるという形式。実際にやることで注意の仕方が身に付くので良かった。

実際に意識してみると、やっぱり「〜してはダメ」と言うより、肯定形にして「代わりに〜してね」と言った方が子どもも話を聞いてくれるなと感じる。他にも大人なら当たり前のことでも「良い行動として褒める」をやっていると、確かにその行動が増えていそう。

良い本だったので、子どもと接していて「最近いつも怒ってしまっているな」と感じている人におすすめ。

教師や学校の特徴を理解して一緒に対応する - 「学校と一緒に安心して子どもを育てる本」を読んだ

子供がそろそろ3年生になるが、今のうちに教師とどう対応するか、いじめが起きたらどうするかなどを知っておけるといいなと思い、「学校と一緒に安心して子どもを育てる本」を読んだ。

この本では教師というのはどういう人でどう対応すると協力してくれやすいか、小学生のそれぞれの学年別にどういう特徴があるか、悪口・いじめ・学級崩壊などのトラブルにどう対処するかなどについて教えてくれる。教師や学校観点から考えて、親がどう対応するべきかを説明してくれるのが非常に良かった。

たとえば印象に残ったのはこの辺り。

  • 個人面談で具体性もなく特に問題ありませんと言われたときは、例えば、「どういうところですか?」「休み時間はどの子と遊んでいますか?」と聞くといい。その時に一緒にいるメンバーと遊びを答えられたら、よく見ているということがわかる。
  • 先生への言葉遣いの変更
    1. 責める言い方 → 相談に変える。×「どうして〜してくれないんですか」(攻撃、非難されている感じを与える)○「どうしたらいいでしょうか」(要望、相談の形に)
    2. 断定・対立っぽい言い方 → 状況共有にする。×「子どもが先生のことを嫌だと言っています」(話し合いの余地がない)○「子どもがどうも学校が楽しくないみたいで……」(話し合いのきっかけが生まれる)
    3. 指示で押す → 困りごととして提示する。×「〜くんと席を離してください」(先生に考える余地を与えていない)○「〜くんといると、トラブルが多くなるようなのですが……」(先生に考えてもらえる)
    4. ジャッジする → 話し合いの入口を作る。×「先生の今回の対応の仕方、おかしいと思います」(断定的で、話が進まない)○「先生の今回の対応について、お話しさせていただきたいのですが」(言うべきことは言うための伏線となる)
    5. 単発のお礼 → いつも感を出す。×「この間は、ありがとうございます」(絶対NGではないのですが、もうひと工夫)○「この間も、ありがとうございます」(いつもありがたいということが伝わる)
  • 暴力を受けているなど、絶対に止めてほしいものがあった場合は、学校へ要求を持っていく。その場合一発で、管理職(校長・教頭)を交えて話をつけるべき。
  • 学期崩壊が起きたとき、先生を変えては逆効果。学級崩壊が起きたとき、その年に立て直すことはなかなか難しい。また、交代するとして優秀な人は担任を持たないで自由しているわけではないので、交代するメンバーもいない
    • どんなレベルの先生も、年度のスタートから一緒に子どもと過ごすと、何人かの子どもと心が通っている。その絆も立ち切ってしまうと、不安な気持ちの子どもたちをたくさん作り出す

学校と一緒に対応しようとした時、実際に対応してくれるのは先生であり、確かにその人たちの特性を知った上で相談するのが大事だなと気づかされた。小学生の親におすすめの本でした。

読書ノート

- 教師は挫折した経験が少ない。だから根本的に強くはない 20
    - 一つ間違うととても傲慢になりやすい
    - 若い先生は真面目でやる気がある人が多い
    - やさしくて善良で真面目な人は、子供の問題行動に対応する能力は低い
- 教師の特徴と対応 24
- ルールは子供と一緒に作る。自分が決めたという自覚を作る。表にして見えるところに貼る 33
- 子どもの6年間の成長段階別ガイド 34
    - 2年生はひみつやないしょを持ちたくなる
    - 漢字のできない生徒のほとんどが小3から。複雑な漢字が増える 51
        - 教科書の本文が急に読みにくくなる。3年生で音読に引っかかるようになったら注意。
        - 様々な学習のレベルが一気に上がると考えるといい。
    - 小3で悪口を注意するには、悪口そのものの否定ではなく、まず言っていることをよく聞いてから、言いたいことの思いをわかってあげる 54
    - 小4は学ぶ仕事も上手になるので、子どものことがわからなくなってくる時期で、親も不安になる時期である 57
- 音読は文章の意味をつかみやすくする最適なもの。算数の文章題がわかりにくいときは、子どもに問題の文章を音読させるといい。 62
- 連絡帳の冒頭にお礼を入れてから、要望を書くといいです。例えば、「いつもお世話になっています。この前の○○の時はお世話になりました」など。 100
- 例えば、暴力を受けているなど、絶対に止めてほしいものがあった場合は、学校へ要求を持っていく。その場合一発で、管理職を交えて話をつけるべき。 100
- 先生の悪口を子どもと一緒になって言わないように。我が子がいじめの加担者になりかねない。 114, 186
- 信じてもらいたいと先生に言いに行くときは、絶対に信じさせるための事実を持っていく 120
    - しかし、事実をつかむのは保護者にとって難しい。せめて親だけでも自分の子供を信じる。
- 個人面談で具体性もなく特に問題ありませんと言われたときは、例えば、「どういうところですか?」「休み時間はどの子と遊んでいますか?」と聞くといい。その時に一緒にいるメンバーと遊びを答えられたら、よく見ているということがわかる。 123
- 先生への言葉遣いの変更 129
    1. 責める言い方 → 相談に変える。×「どうして〜してくれないんですか」(攻撃、非難されている感じを与えます)○「どうしたらいいでしょうか」(要望、相談の形にすると うまくいきます)
    2. 断定・対立っぽい言い方 → 状況共有にする。×「子どもが先生のことを嫌だと言っています」(話し合いの余地がありません)○「子どもがどうも学校が楽しくないみたいで……」(話し合いのきっかけが生まれます)
    3. 指示で押す → 困りごととして提示する。×「〜くんと席を離してください」(先生に考える余地を与えていません)○「〜くんといると、トラブルが多くなるようなのですが……」(先生に考えてもらえます)
    4. ジャッジする → 話し合いの入口を作る。×「先生の今回の対応の仕方、おかしいと思います」(断定的で、話が進みません)○「先生の今回の対応について、お話しさせていただきたいのですが」(言うべきことは言うための伏線となります)
    5. 単発のお礼 → いつも感を出す。×「この間は、ありがとうございます」(絶対NGではないのですが、もうひと工夫!)○「この間も、ありがとうございます」(いつもありがたいということが伝わります)
- いじわるをされた、いじめられたと言ったら、一回大声でやめてっていいなさいと教える。そしてそれができたかどうかを必ず聞く。それでもうまくいかないなら保護者の出番でいじめを芽の内に摘んでしまう 141
    - 嫌ないじめの話を深刻に話し合うだけでなく、明るく楽しいことも大切。例えば、おいしいものを食べに連れて行くなど
    - 子どもがいじめについて語り出したならそのまま信じる。そのつらさを「その程度のことで」なんて軽々しく扱わない。あなたにも何か原因があるんじゃないの?なんて言ってはならない。
    - 中途半端な強さをいじめに求めると逆にやられてしまうし、できなかった時の自己否定につながる。
    - 子どもの許可なく学校に相談に行かない。子どものプライドを潰すと、子どもは追い詰められる。先に子どもを説得して了承をとる。
- 学期崩壊が起きたとき、先生を変えては逆効果。学級崩壊が起きたとき、その年に立て直すことはなかなか難しい。また、交代するとして優秀な人は担任を持たないで自由しているわけではないので、交代するメンバーもいない 150
    - どんなレベルの先生も、年度のスタートから一緒に子どもと過ごすと、何人かの子どもと心が通っている。その絆も立ち切ってしまうと、不安な気持ちの子どもたちをたくさん作り出す
    - 「学校崩壊をあなたが頑張って止めさせなさい」というのは厳禁。できない。大人の教師が必死になっても食い止めることができないので 153
- 叱る時は全力で。小言ばかりの親は、鬱陶しいだけ。叱るときは自分主語で。 160
- 学習は、なぜその学習をしなければならないのかということを納得させていくことが大事。これを内容関与的動機付けという 178
- 喧嘩をして相手に怪我をさせてしまったとき、絶対にお互い様ということは言わない 188

生成AI「戦力化」の教科書を読んだ

社内でAI活用を推進するにあたって、どのようなコツがあるかの知識を付けたいと思い、生成AI「戦力化」の教科書を読んだ。

この本は、LLMを自社業務に組み込むための実践的な方法論がまとまっていた。ナレッジベースの構築、転記・抽出、文書作成、レビューといった具体的な業務への適用方法が整理されていて参考になった。

印象に残ったのは以下のポイント。

  • LLMの仕事は常にレビューするべき。そのためLLMに任せるべきかの軸として、ワークフローの入力と出力を人が正解かどうかを判断しやすいかという視点も大切
  • ナレッジベース構築をするための具体的なステップが解説されていたのが良かった。特に(5)のステップは大事だなと思う
    • (1) そもそもナレッジベースをどのようなアウトカムに繋げたいのかから考える
    • (2) 目的にあった文書・情報をリストアップ
    • (3) ベテラン社員がこれらの文書をどのように探し、活用しているかを分析
    • (4) 文書のどこに必要な情報があるのか、その情報から何を得ようとしているのかに着目し、抽出方法などの参考に
    • (5) システムを組む前にどのようなプロンプトで活用するのか検証。この検証段階ではナレッジベースを構築する前に、手動で関連文書を選び、それをプロンプトに含めて応答を確認する
    • (6) プロンプトでの活用イメージがつかめたら、あとはそのプロンプトに必要なデータが検索できるよう、情報を集約する仕組みを考える
  • 転記・抽出、文書作成、レビューそれぞれのワークフロー構築のコツが整理されていて参考になった

AI活用をより社内に広げたい人にとって参考になる本だと思う。そのような人におすすめ。

読書ノート

- マニュアル不足で回答が見つからなかった場合、マニュアルが見つからなかったと明確に返答するように工夫した方が良い 54
- LLMの出力は下書きと考え、最後は人がレビューする必要がある。下書きとして業務フローに加えるだけでも相当な効率化につながるケースが多く見つかる 58
- 洗い出された業務プロセスをもとに、ホワイトボードにどのようなステップの組み合わせになっているか書き出す。ステップごとにそれぞれ何の入力・出力があるかを明確にする。するとそれを生み出すための方法を検討できる 96
- LLMの仕事は常にレビューするべきなので、入力と出力を見た時、人が正解かどうかを判断しやすいかという視点もLLMに任せるべきかの軸に大切 100
- 非構造化データをうまく扱うには、(1)言葉で検索すること、(2)メタデータを付与して整理することの2つが必要 111
    - メタデータは一般的な分類よりも、企業特有のメタデータを付与することが重要
- データレイク、データウェアハウス、データマート、データカタログ 113
    - 非構造化データに応用すると、データレイクとして全ての文書を保存し、データウェアハウスとして業務目的別に整理・加工し、目的に応じたサブセットとなるデータマートに該当するナレッジベースを作り、データカタログでそれらを検索・発見できるようにする、などの構造
- 情報の関連性をグラフと呼ばれる構造で表現し活用可能にしたナレッジグラフを使うと、LLMは単にチャンクを検索するだけでなく、そこから関連する必要なチャンクをうまく見つけられるようになる 119
- ナレッジベース構築と活用をするときの流れ 126
    - (1) そもそもナレッジベースをどのようなアウトカムに繋げたいのかから考える。どのような場面で何を達成するために用意するのか
    - (2) 目的にあった文書・情報をリストアップする。情報がいつ追加・更新・削除されるかのライフサイクルを知ってナレッジベースを常に有効な状態に保つための背景を知っておく
    - (3) ベテラン社員がこれらの文書をどのように探し、活用しているかを分析。このプロセスはナレッジベース設計にもそのまま反映できる
    - (4) 文書のどこに必要な情報があるのか、その情報から何を得ようとしているのかに着目。抽出方法などの参考になる
    - (5) システムを組む前にどのようなプロンプトで活用するのか検証。この検証段階ではナレッジベースを構築する前に、手動で関連文書を選び、それをプロンプトに含めて応答を確認する
    - (6) プロンプトでの活用イメージがつかめたら、あとはそのプロンプトに必要なデータが検索できるよう、情報を集約する仕組みを考える。どこから情報を持ってくるか、更新をどうキャッチするか、どうタグ付けや分類、加工するのか
- 転記・抽出の実現方法 134
    - 必要なのは、書類の読み方・抽出の仕方を教えるワークフローと、過去の抽出例を保存したナレッジベース
    - 「書類のどの部分に注目しているのか」を明確に。どこを見るか明示することで、関係ない項目から間違った値を取り出すことを避けやすくなる
    - どのようなルールや基準で、どの情報を抜き出しているのかを整理する。「契約期間は開始日と終了日をセットで取得する」など
    - 抽出した内容が正しいかどうかを「どのような方法で検証しているのか」、例えば過去の抽出例や他の項目との整合性チェックなども重要なポイント。過去の類似例との比較が必要など
    - 抽出結果を「どのようなフォーマットでまとめる必要があるか」。出力に「参照元ページ」「該当セクションの見出し」など人間が検証しやすいメタデータを付与しておくと、レビューしやすい
- 文書作成の実現方法 142
    - 文書作成業務の基本情報をまとめる。文書を書くことの目的(どのような業務のための誰に対して何を伝えるべきかなど)、文体など
    - 完成品に対してどのような視点で人が読むのか整理する。事実関係や正確性をどのようにチェックしているか、社内のトーンに沿っているかをどう判断するか、など
    - すでに存在している完成品の文書を分解する
    - 個別のセクションの書き方を考える
    - ワークフローを作るときは、セクションごとに一つずつ実現していく
    - 完成物はナレッジベースに登録することで、LLMや人の両方の財産になる
- レビュー観点を分析するには、既存のレビュー済み文書とその指摘・修正履歴を集め、どのような観点でレビューが行われたのか分析する。ChatGPTなどを活用して文書とレビュー結果を提示し、「どのような観点でレビューされたと考えられるか」を推測させるのも有効 155
- ナレッジマネジメントで人がやっていた分類やタグ付け、ようやく作成はLLMとワークフローで自動化できるようになった 167
- エージェントとは「与えられた目的を達成するために、自律的に推論し、計画を立て、状況に応じて対話や外部ツールの操作といった行動を起こすソフトウェア主体」 173
    - 「自律性」「目的志向性」が重要
    - プログラムされた手順をこなすのではなく、最終的なゴールを見据え、その達成のために「今何をすべきか」を自ら判断し、行動を選択する能力を持つ
    - エージェントの代表的な機能要素 176
        - Planning: ユーザーに与えられた課題を どのように解決するか行動計画を考える。
        - Knowledge: エージェントがPlanningや実際の行動の中で 利用できる知識。
        - Tool Use: 外部のツールを動かすエージェントのための 道具の呼び出し。
        - Memory: エージェントがユーザーとどのようなやり取りを 行ったかなどを記憶し処理をパーソナライズする。
        - Evaluation: ユーザーの指示と行動した結果を比較・評価し 次のPlanningに反映する。
- LLMは「ミスを犯しやすい」が、AIエージェントはLLM呼び出しを大量に行うため、エラーの蓄積効果が起きる。各ステップの成功率が90%あっても、5ステップをノーミスでクリアするのは59%まで低下してしまう 184
- エージェントとどう付き合うか 185
    - 全ての業務をエージェントにしようとしない
    - やり方が明確な業務は「ワークフロー」で良い
    - 人間とのコラボレーションを前提とする。人間がレビューや修正を行う前提で設計する
    - 新人の部下レベルであるということを社内で期待値コントロールする
    - 常に人間に「ホウレンソウ」させる。重要な判断を行う前や、一定の処理が完了した時点で
- 業務の自動運転の6段階 201