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株式会社はてなでエンジニアをしています。プログラミングや読書のことなどについて書いています。

ディレクターを経験して良かった

tech

この記事は、はてなディレクターアドベントカレンダー2016の19日目です。昨日は id:shimobayashi の「効率的で課題解決的な態度にひそむ罠について」でした。

こんにちは、はてなでアプリケーションエンジニアをやっているid:shiba_yu36です。僕は現在はエンジニアをやっていますが、一度はてなでディレクター(いわゆるプロダクトマネージャー職)を経験しています。ディレクターに挑戦した理由は、マネジメントという分野にも少し興味があったためです。しかし、当時なかなかディレクターという職種を楽しむことが出来ず、結局1年足らずで挫折してエンジニアに戻ったという過去があります。

このような経験でしたが、僕はとにかく一度ディレクターを経験して良かったと思っています。なぜならディレクター経験がエンジニアとしての今の自分に非常に活かされているからです。そこで、今回は自分がディレクターを経験して良かったと思ったことをピックアップして書いてみます。

  • ディレクターがエンジニアに何を求めているか知ることが出来た
  • エンジニアとして自分に足りないことが明確化された
  • 自分がどのような仕事が好きか知ることができた

ディレクターがエンジニアに何を求めているか知ることが出来た

まず、エンジニアとディレクターを両方共経験したことで、ディレクターがエンジニアに何を求めているか、つまりエンジニアがどう行動するとディレクターが助かるかについて知ることが出来ました。


ディレクターから「こういう機能って技術的にできるかな?」と相談された時の行動を例にあげてみます。

ディレクターになる前は、このようなことを聞かれた時、技術的に難しかったら、この機能が実装できない理由や、できるけどエンジニア的にはあまりやりたくない温度感などだけを伝えていました。正直、「おいおい何面倒なことを言ってきてるんだ」という気持ちになっていました。

しかし、ディレクターを経験してみると、出来ないという返答が返ってきた時でも、じゃあ代わりにどうするかを考えなければならないということに気づきました。エンジニアに質問した機能を達成したい目的を、何らかの形で達成しなければならないためです。僕はエンジニアをやっていたので、代替案をエンジニアにもう一度提案できますが、エンジニアを経験していないと途方に暮れてしまいそうということに気づきました。

そこで、エンジニアに戻った後は、なぜ出来ないかを説明した後に次のことも合わせて行うようになりました。

  • その機能を作りたい理由は何かをヒアリングする
  • 同じようなことができそうな代案を複数出す
  • それぞれにかかる時間を、大中小とか、1week2week単位の大雑把なもので伝える
  • どこまでなら妥協できるかなどの温度感を伝える

個人的にはこのあたりを伝えると、やるやらないの判断や、クライアントとの相談がやりやすいのではないかと思っています。


他にも、どのタイミングでディレクターに相談してもらえるとありがたいのか、どの程度ディレクターに報告すればよいのかなど、ディレクターがエンジニアに何を求めているか知ることができました。これらを知れたため、その後エンジニアに戻った時にディレクターとの業務が円滑に進むようになりました。このことはディレクターを経験して良かったことの一つです。

エンジニアとして自分に足りないことが明確化された

また、ディレクターを一度経験することで、エンジニアとしての自分に足りないことが明確化されたと思っています。


ディレクターになる前、エンジニアを5年ほど経験していました。Perlでの開発を5年ほど経験すると、新しいことを学習できたなと思う機会が減ってきていました。そのため、自分が今後何を学べば成長できるのかについて徐々に分からなくなってきていました。

しかし、ディレクターになって、たくさんのエンジニアとコミュニケーションをしてみると、今の自分に足りないことが明確化されました。他のエンジニアのスキルをいろいろと見て、それらと自分のスキルを改めて比較することができたためです。例えば次のことを知ることができました。

  • 得意分野を求めるあまり、実は技術の幅が狭くなってしまっていた
  • プログラミングの概念の理解が、Perlが持つ概念のみに留まっていた
  • 数学やアルゴリズムへの知識が不足していた


そこでエンジニアに戻った後は、ディレクター経験で気づいた自分に足りない部分を直していこうと思いました。例えば、技術の幅を広げるために、これまで苦手だったフロントエンドを一からやってみました。他にも、プログラミングの概念の理解を広げるために、Perlと概念が全く違うScalaを一からやってみました。これらの学習により、久しぶりに自分が本当に新しいことを学べたという感覚を得ることができました。

最近は少し技術の幅も広がってきたので、今度は自分の得意と思っている裏側よりの技術を強めるために、基礎的な数学やアルゴリズムの勉強をしていこうと思っています。


ディレクターを経験したことでエンジニアとしての時間を少しだけ減らしてしまいましたが、逆に何をやるべきかが明確になり、むしろエンジニアとして成長を促進できたなと感じます。これもディレクターを経験して良かったことの一つです。

自分がどのような仕事が好きか知ることができた

ディレクターになる前、自分の中で本当にエンジニアリングが好きなのか、実は他に何か得意なことがあるのかなど、自分がどのような仕事が好きなのか曖昧になっていたときがありました。しかし、ディレクターを経験することで、自分の好きな仕事を知ることができました。


まずディレクターをしてみると、エンジニアリングの時間が減ったことで、自分が非常にストレスを感じていることに気づきました。この経験から、やっぱり自分はエンジニアリングをずっと続けたいのだなということが分かりました。

また、ディレクターの仕事を楽しめなかったと最初に書きましたが、ディレクターの仕事の中でも楽しめた仕事はあるということに気づきました。それは目標設定や1on1面談など、ヒューマンマネジメント系の仕事です。サービス企画などのプロダクトのマネジメントはなかなか楽しめなかったのですが、ヒューマンマネジメントはかなり面白いと思いながら取り組めました。

以上のような経験から、自分はエンジニアリングをメインの仕事にしつつ、ヒューマンマネジメントという分野にも取り組めると良いということを知ることができました。このように自分がどのような仕事を好きか知ることができたのもディレクターを経験して良かったことの一つです。


実際に最近はシニアエンジニアという、エンジニアリングをメインにしつつ、メンター業務や人事、技術組織周りのことにも取り組むようなポジションに付くことができました。自分の中でやりたい仕事が明確になっていたため、このようなポジションに付くかという話をされた時もすんなり受けることができました。

最後に

はてなでは、はてなバリューズ の「挑戦が好き」に示されているとおり、自分が希望すればいろんなことに挑戦させてもらえます。その一貫として、僕はエンジニアからディレクターという職種への挑戦をさせてもらったと思っています。

残念ながら自分自身はディレクターというポジションをなかなか楽しむことができなくて、エンジニアに戻ることになりました。しかし、全くそのことを後悔はしていません。上に書いたようにむしろエンジニアとしてのこれからに良い結果をもたらせてくれたと感じているからです。

本当にディレクターを経験して良かった。