ソフトウェアエンジニアリングの学び方には、書籍を読む、サンプルコードを写経するなど色々とある。その中で、同僚とのコードレビューや対話による新しい発見も1つの学習方法として非常に役立っていた。他人との対話による学習は、他の学習と違って自分が想像していなかった視点をもらえたり、固定観念に気付かされたりと、とても有益だった。ただしこれまではこの学習は他人がいないと成立しないものだった。
ChatGPTのようなAIの登場で、このような対話による新しい発見を得られる機会が非常に増えた。ChatGPTなどと会話を通して調査・設計していると、なるほどそういう解決策があるのかと驚かされる瞬間が頻繁に訪れる。
とはいえ、新たな気づきを得るためには、AIの使い方にも工夫が必要だ。たとえば細部まで自分で考えた後で細かい部分に対して質問してしまうと、自分の視点の回答だけを引き出す結果になってしまうことが多い。そうならないように僕は次のような工夫をしている。
- いきなりHowを聞くのではなく、その要件について考える時に考慮すべき観点が何かを先に聞き、自分が想定していなかった観点に気づけるようにする
- 解決策について複数案考えてもらい、それぞれのメリット・デメリットも合わせて聞く
このようにAIが進歩したことで対話による新たな発見が加速したのでありがたい。一方で使い方によっては自分の視点だけを強化することになるので気をつけたいと感じた。