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クラスター株式会社のソフトウェアエンジニアです。エンジニアリングや読書などについて書いています。

アピールすることの大切さを学ぶ - 人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっているを読んだ

この本がスゴい!2018: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいるで見つけて読んだ。思っていた以上にめっちゃ良かった。スラスラ読めるので、みんな読んで欲しい。

この本は、世の中がいかに思考の錯覚に左右されているか、そしてそれに害を受けないためにはどうするか、逆にそれを利用するにはどうするかについて教えてくれる。この本を読んで、特にハロー効果にどれだけ人間が左右されてしまうかについて見れたのが良かった。

個人的には腹落ちする内容が多く、自分の実力をきちんとアピールすることの大切さを学べた。自分を過剰にアピールするなんてかっこ悪いと思っている人にほどおすすめできる内容だった。


この本の中で特に二つのことが印象に残った。

  • 実力があると周りを勘違いさせられる人のほうが、結局は実力もつく
  • 成功には運の影響が非常に大きいが、成功の確率を上げることはできる


まずは、実力があると周りを勘違いさせられる人のほうが、結局は実力もつくという話。

  • 「実力がある」から、よいポジションを手に入れられるのではなく、「実力があると周囲が錯覚する」から、よいポジションを手に入れられているという部分が大きい
  • 実力タイプ(実力はあるがアピールが下手な人)より、錯覚力タイプ(実力以上に実力があると周囲にアピールできるタイプ)のほうが有能と認識されやすく、より良いポジションや成長のチャンスを手に入れられる
  • より良いポジションや成長のチャンスがたくさん手に入れられると、それにより錯覚力タイプの人の実力はどんどん上がっていき、結局実力自体も錯覚力タイプの人が実力タイプを上回る

分かる。僕も、根拠ないけど出来ると思うから任せてくれって言いまくってたら色んな機会を与えてもらえて、そうすることで非常に多くの失敗を繰り返したのだけど、結果としてたくさんの経験をして、今に活かすことが出来ている。そのため、ホラ吹きにならないように気をつける必要はあるものの、ちゃんとアピールしていくことは大事だと思った。


次に、成功には運の影響が非常に大きいが、成功の確率を上げることはできるという話。

  • 成功には実力も必要だが、思っているよりは運の要素が強い
  • 運の要素が強いということは、とにかく試行回数を増やすことが大事
  • 最初から大きいことをしてしまうと失敗も取り返しがつかなくなるので、とにかく小さいことに挑戦しまくり、いくつか成功をゲットする
  • いくつか成功をゲットすると、ハロー効果により、周りが「この人はなんか出来そう」と感じるため、次の挑戦が成功しやすくなっていく
  • これを繰り返し、ハロー効果が強まった後に、大きな挑戦をすることで、大成功を収める可能性をあげられる

とのこと。こちらもめっちゃ分かるという感じ。マネージャ界隈で信頼貯金が大事と言われることをよく聞くが、信頼貯金ってハロー効果なんだな〜と腹落ちした。


こんな感じで非常に勉強になったので、いろんな人にオススメです。

読書ノート

* 「実力がある」から、よいポジションを手に入れられるのではなく、「実力があると周囲が錯覚する」から、よいポジションを手に入れられているという部分が大きい 133
	* 実力タイプより錯覚力タイプのほうが有能と認識されやすく、より良いポジションや成長のチャンスを手に入れられる
	* すると錯覚力タイプのほうが実力が伸び、実力自体も実力タイプに勝っていく
* ハロー効果 319
* 成功には運の影響が非常に大きいが、成功の確率を上げることはできる 532
	* 小さくたくさん試行して成功を増やし、そのハロー効果を利用して大きいチャレンジをする
* ハロー効果には射程がある 532
	* 具体的な数値を伴う成功は射程が長い
	* 講演や書籍執筆も効果的。本の執筆は金銭的には割に合わないが、錯覚資産の獲得としては効果が大きい
* 少数の法則とは、ごく小さな標本であっても、それを抽出した元の母集団をよく代表しているとみなす考え方。これにより母集団の属性の判断を間違える 869
* 人間は、判断が困難なとき、自分で思考するのを放棄して、無意識のうちに、デフォルト値を選んでしまうことが多い 964
* 成果、錯覚資産、環境、実力のループ関係 1068 ※
	* 錯覚資産を増やすことばかりやって、実力を磨くこと(スキルアップ)を怠ると、1つのループが回らなくなる。
	* スキルアップばかりやって、錯覚資産を増やすことを怠ると、すべてのループが回らなくなる。
* 大きな錯覚資産を手に入れたいなら、「一貫して偏ったストーリー」をあえて断定して語らなければならない。バランスが取れた正しい主張に人は魅力を感じず、それだと人を動かせない。 1477
* この本で出てきた認知バイアス一覧 1705 ※
	* 3つの脳の過剰性が引き起こしている。過剰に一貫性を求める、過剰に原因を求める、過剰に結論を急ぐ
* 錯覚資産の大きさは、「ハロー効果の強さ x 思い浮かべる人の数 x 思い浮かべる人の質」 1811