なぜ最近コーチングや人間の学習モデルの勉強をしているのか - $shibayu36->blog;や、目標設定の仕方を学ぶ - 「ザ・コーチ」読んだ - $shibayu36->blog;の続きとして、コーチングという知識を体系的に学びたいと思い、「コーチングのすべて」を読んだ。
読んでみたところ、最初の方のコーチングとは何かという導入部分は面白かった。特にコーチの主な仕事を説明した一文が印象に残っている。
コーチの主な仕事は、「自分が問題を生み出す過程」をクライアント自身が理解する手助けをすることであり、コーチが問題を解決することではない
さてそれでは体系的に学べたかというと、僕の今の段階では、この本から体系的に学ぶことはできなかった。この本は様々なコーチングのモデルを紹介し、その生まれた経緯などの歴史を知ることによって、コーチングとは何かについて迫るという構成になっている。僕の中でコーチングそのものに対する知識はそこまでなかったので、様々なモデルを見ても吸収しきれなかった。
次は何を読もうかと考えたのだけど、もう少し簡単めで、体系的にまとめられていそうな本を読んでみたいと思っている。以前触れたけど「コーチングの基本」という本を読んでみたい。
また、結局のところ自分は「コーチング」という分野だけを学びたいということではなくて、コーチングを含む人材育成周りの知識や、もっと大きなくくりであるマネジメントという技術を体系的に学びたいと思っていることに気づいた。そこで、単なる実践書にとどまらない、理論にもフォーカスしたような本を探して読んでみたいと思う。例えば「マネジメント入門」という本や「組織パターン」、「企業内人材育成入門」といった本が気になっている。
[asin:4478440557:detail]読書メモ
- コーチングの本質は、学習や成長、変化を促して「人を助ける」ことにある 4
- コーチングは、変化のための方法論であり、学び、成長し、最高の自分になるように人々を(そして、人々を通じて企業を)助けるもの 10
- この本では、コーチングを効果的にするモデルや概念を紹介するが、ハウツーは教えない 11
- コーチングは、クライアントを支援するための「コンサルテーション」の一形態 17
- 支援のコンサルテーションの主な3つの形態 17
- 専門家モデル : クライアントが専門知識に料金を支払い、結果に対する責任は持たない
- 医者と患者の医療モデル : クライアントが一定の責任を持ち、指示に従うモデル
- プロセス・コンサルテーションモデル
- クライアントが全面的に責任を持つ
- 問題のある状況を改善するために、クライアントが自分の内的・外敵環境に生じる出来事のプロセスに気づき、それを理解し、それに基づいて行動できるようになる関係を、クライアントとの間に構築すること
- コーチングはプロセス・コンサルテーションの一形態
- コーチの主な仕事は、「自分が問題を生み出す過程」をクライアント自身が理解する手助けをすることであり、コーチが問題を解決することではない 18
- コーチングの様々な定義 18
- コーチングの4つの重要な要素である、「変化」「不安」「関係」「学習」 19
- コーチングは、クライアントの問題解決や、意思決定、あるいは目標達成を助けるだけでなく、自律的に学習する能力を育て、個人の成長を促すもの 20
- コーチは答えを与えるより、質問をする 21
- コーチングが取り扱うのは精神的な成長であり、メンタルのケアではない 22
- コーチは、クライアントのビジネスの仕組みを正確にしる必要はない 22
- コーチはクライアントに信頼される必要がある 24
- 信頼は、2つの要素から作られる 24
- 1. 誠実である、つまり、その行為と意図が心からのものであり、隠された思惑がないこと
- 2. 頼りになる、つまり自分が言ったことを、約束した期間内に、満足させる水準で実行できる
- 信頼は特定の範囲に限定される 24
- 交渉がうまいので商談を安心して任せられる部下が時間を守るという点でも安心できるとは限らない
- コーチの信頼性と誠実性のマトリクス 25
- 人間心理学では、人間は自己実現を望んでいるという、楽観的な見解を前提にする 43
- 人間性心理学の原則 43
- 人間性心理学は、個人の独自性も重要視する。クライアントごとに合わせる必要がある 44
- コーチングは、クライアントが自分自身の中に答えを探すように働きかけ、断定的に決めつけないという意識を重要視する 47
- コーチは絶えずクライアントが気づいている限界を乗り越えるように促すことが必要 51
- コーチングのクライアントは、自分の体験を口頭で話す際に、自分の話し方に振り回される人が多い 53
- コーチングのクライアントは、自分の体験を口頭で話す時に、自分の話し方に振り回されることがある 53
- 受動態の言葉を多用するなら、その人は自分自身がその体験を作ったことを忘れているとか 54
- 体験談を聞くだけでは本当のところどうだったのかを知ることは難しいので、コーチは言葉の背後に隠れているものや奥底に潜むメッセージ、全体から発せられている非言語表現などを聞き取る必要がある 53
- 従業員が会社に残ってくれるように企業が講じることの唯一の手立ては、従業員をトレーニングし、十分な技能を身につけさせること 60