ビジネスを学ぼうシリーズ第5弾。今回は楽天の三木谷さんが書いた「成功のコンセプト」を読んだ。
この本は楽天創業から現在までずっと掲げている「成功のコンセプト」に記されている5項目を軸に、三木谷さんの考えについて書かれている。成功のコンセプトに書かれているのは以下の5項目である。
- 常に改善、常に前進
- Professionalismの徹底
- 仮説→実行→検証→仕組化
- 顧客満足の最大化
- スピード!! スピード!! スピード!!
読んでいた中で
- 常に改善、常に前進
- 仮説→実行→検証→仕組化
の二つが印象に残ったので書いてみる。
常に改善、常に前進
この本を読んでいると、楽天という会社は何かしらすごいアイデアを思いついてそれを成功させてきたというわけではなく、もともと大企業が参入して失敗していったインターネット上のショッピングモールというビジネスにベンチャーとして後発で参戦し、「常に改善、常に前進」という精神で1日ずつ改善を繰り返していくことにより今のように成功しているようだった。
もし一日1%の改善をすると、365日後には1.01の365乗で37倍ほどになる計算になる。これがもし100人の社員がそれぞれ1%ずつの向上をさせると、ものすごい勢いでの成長が見込める。ただし、この本にも書いているが、100人いたからといってすべてが同じ方向に行くわけではなく、さまざまな要因によって一方の数値は増えるが、副作用で一方の数値は減るのようなことが起こるため、社員が100人いたとしても1.01の100乗が毎日行われるわけではない。しかしながらその数字を出来るだけ高めるのが経営の役割であり、それを実践していると書かれているのが印象に残った。
「改善は凡人が天才になる方法」という言葉が書かれていて、三木谷さんの思想として改善を繰り返すというのが徹底されているのだなあと感じる。ただここまでやり切るというのはそれはそれで天才だなと感じた。
仮説→実行→検証→仕組化
「仮説→実行→検証→仕組化」という話も面白かった。毎日毎日改善していくには、まず仮説を立て、それを実行に移し、結果を検証するという流れを作ることが大切である。ただし、個人レベルではそれでいいが、組織で行動していくにはそれだけではダメで、そこから仕組化が必要であると書かれている。
仕組化には二つの意味があると書かれている。
- 継続して改善できる仕組みを作る
- 効率的な仕事のやり方や新しいビジネスモデルを組織で共有するための仕組化
そもそも組織で毎日改善を続けていくためには、思いついた時に改善する、では駄目であり、継続的に改善ができる体制にしなければならない。そのためには継続的に改善できる仕組みを作り上げることが必要であると書かれている。これが一つ目の仕組化である。
また組織で仕事に取り組む以上、組織内で最大の能率を実現する必要がある。そう考えた時に仮説→実行→検証で得た知識を組織内に伝搬させるためには仕組化し、周りに共有していくと書かれている。これが二つ目の仕組化である。
もし仕組化がうまく行っていない場合、ノウハウの横展開が出来ないなど様々な問題が発生しうることは容易に想像できるし、小さい企業で働いていてもその問題をよく感じるので、楽天のような企業だと徹底されてなければ結局効率が上がらないまま終わってしまいそうに思える。その点でこの仕組化は非常に重要そうに見えた。
まとめ
もうこれで企業に関する本を読んだのは5冊目だけど、それぞれぜんぜん違う特色で成長しているのが面白い。楽天の場合は、特に毎日改善するという志が徹底していて、それが仕組み化されているというところが成功の要因なのだろうと感じる。
次のビジネスを学ぼうシリーズは「爆速経営 新生ヤフーの500日」です。