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クラスター株式会社のソフトウェアエンジニアです。エンジニアリングや読書などについて書いています。

つかまらない上司にならないために - 1分間マネジャーの時間管理を読んだ

1分間マネジャーの時間管理

1分間マネジャーの時間管理

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「1分間マネジャーの時間管理」を読んだ。非常に面白く、勉強になることが多かった。

この本は、マネジャーが時間に追われている状況をどう解決するかについて教えてくれる。この本においてプロジェクトにおける「次の対応」はサルと表現され、マネジャーが時間を作るためにはこのサルの管理をうまくしなければならないというような話で、時間に追われている状況の改善方法について説明している。書き方自体も時間に追われたマネジャーを主人公として物語風に進んでいくので、非常に読みやすく面白かった。

上に書いた通りの話なので、マネジャーになってなぜか忙しくなったと思う人は是非読んでみると良さそう。確かにそれで忙しくなってるわーみたいなことがいろいろ書かれているので参考になると思う。


この本の中でメインとなるポイントは

  • オンケン流サル管理の心得
  • 三つの時間をやりくりしよう

という部分と思ったのだが、まあそこは本を読むほうがわかりやすいので、今回も印象に残った部分を幾つかピックアップしてメモしておく。

今回印象に残ったのは以下の2つだった。

  • 管理職は「やらなくていいことを効率よくやる」ことに時間をかけてはいけない
  • つかまらない上司ほど苛つくものはない

管理職は「やらなくていいことを効率よくやる」ことに時間をかけてはいけない

この本の最初の方に次の言葉が書かれている。

管理職はマネジメントに時間をかけるべきであって、「やらなくていいことを効率よくやる」ことに時間をかけてはいけない。

最近いろんな本を読んでみると、大体これと同じようなことを言っていると感じることが多い。「イシューからはじめよ」を読んだ - $shibayu36->blog;で紹介した本も同様のことが書かれていたし、最近ちょっと読んだ[asin:B00CJ943KI:title]にも同じようなことが書かれていた。

大抵忙しくなってくると、なんか忙しいのでとにかく効率的にやるべきだと考えてしまってひたすら速度をあげようとしてしまうのだけど、それだと極限まで効率をあげても結局自分の時間というものに縛られてしまう。なので一旦取り掛かる前にこれは本当にやるべきなのかを見極めるということをするべきだと感じた。すべてのタスクをやる必要はなく、重要なタスクをピックアップするというのが重要そうだ。

つかまらない上司ほど苛つくものはない

この本の中に

誰にでも経験があると思うが、つかまらない上司ほどイラつくものはない

と書かれていた。これは確かにと思うと同時に自分自身も気をつけないとまずいと感じた。呼びかけても毎回数時間後とかにしか反応しない上司をもつと確かにイラつく時がある。


ではなぜつかまらない上司になってしまうのか。

例えば部下が本当はやるべき「次の対応」を自分で引き受けすぎてしまうと、それにより忙しくなりつかまらない上司になってしまう。部下にトラブルがおきましたがどうしましょうと言われた時に、「では一度こちらで対応を考えてみるよ」といった瞬間に、そのプロジェクトの次の対応を自分で引き受けることになってしまう。本当はその対応の検討は部下にやってもらうほうが早いにも関わらず、自分で引き受けてしまうということがある。これが続き、もし自分の時間が「次の対応」の対応ばかりになってしまった場合、部下の対応に忙しくなり、結果つかまらない上司になってしまう。

例えばすべての対応を自分の事前承認なしでは行ってはいけないとしてしまったとする。この場合、部下のすべての作業に対し、自分の確認作業を発生させてしまう。この件数が少ない場合には問題ないが、自分の時間の大多数をここに費やしてしまうと結果忙しくなり、処理が間に合わなくなる。すると結果つかまらない上司になってしまう。

例えば上に書いたとおり、やらなくてもいいことに対し、手をつけてしまったとする。いくら効率を良くしてもこれにより自分の時間を圧迫してしまうと、結局つかまらない上司になってしまう。

他にも理由はあるだろうが、結局は自分自身をチームの中で一番忙しい状態にしてしまうと、つかまらない上司になる。そしてマネジメントみたいなことを意識し始めると大体つかまらない上司に陥るイメージがあるので、気をつけたい。


つかまる上司になるには、仕事時間においてまず部下よりも自分のほうがゆとりがある状態を作らないといけない。このための方法論として

  • オンケン流サル管理の心得
  • 三つの時間をやりくりしよう

というものが紹介されていたので、非常に参考になった。

オンケン流サルの心得を簡単に説明すると、プロジェクトにおける「次の対応」をサルと比喩し、上司と部下は次の四点を決定するまで話し合いを切り上げてはいけないと決めるものである。

  • サルの特定(「次の対応」とは何か決定する)
  • サルの世話係(「次の対応」の担当者を決める)
  • サルの保険(万一のリスクに備える)
  • サルの定期健診(進捗報告会の日時と場所を決める)

それぞれの話について、この本では詳しく説明されているが、興味があったら読んでもらうと参考になりそうだと思った。

まとめ

今回は「1分間マネジャーの時間管理」を読んで印象に残ったことをメモに残した。特に先述したつかまらない上司というのは、ハマリポイントのように感じたので気をつけたい。

今回1分間シリーズを初めて読んでみたが非常に面白く、平易な文章で書かれていて、かつ150~200ページくらいしかページ数がないので、今後他のシリーズもどんどん読んでいこうと思う。

[asin:4478350132:detail]
1分間モチベーション

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