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クラスター株式会社のソフトウェアエンジニアです。エンジニアリングや読書などについて書いています。

池上彰の「日本の教育」がよくわかる本を読んだ

 教育については前から少し興味があったけど、そういえば全くそれに関する本を読んだことがないなと思ったので、とりあえずざっくり学ぶために簡単でわかりやすそうな本から読んだ。

 この本は池上彰が、戦後日本の教育の歴史や現在の教育制度の仕組み、海外ではどうなっているのかをかいつまんで解説してくれる本。全体的にこれまでの教育改革や、今後の教育についての変更に関して批判的に解説しているのが面白かった。


 この本を読んで、教育の歴史や教育委員会とは何か、ゆとり教育とはなんだったのかなどについてざっくり学べた。一番面白かったなあと思うのは、教育の改革が思い込みや印象論で語られることが多いという部分。


 この本の最初の方に

  • 教育制度は変えてからその結果が出るまでに時間がかかる
  • また成果が数値化できないものも多い
  • その結果教育に関する改革は、得てして思い込みや印象論で語られることが多い

ということが書かれていた。

 例えば、脱ゆとり教育についてもそういう面があっただろうと思う。ゆとり教育が始まった後すぐにPISAという学力テストが行われた際、世界における日本の順位が下がったと大きく報道されたことがあった。その時、2002年に行われたゆとり教育実施から2年ほどしか経っていないのにかかわらず、このテストの結果だけを見てゆとり教育は失敗だといったようなことが報道され、最終的に最近は脱ゆとり教育の方向に進んでいるように見える。この数値が本当にゆとり教育のせいか正しく検証されないままにである。このことは報道などの思い込みからまた教育制度が変えられていくという一つの例なのかなと思った。

 またこのことからやはりメディアの情報に対しては正しく接する必要があると思った。メディアは珍しいことを報道する傾向が強いとこの本に書かれていたが、確かにそのとおりだと思う。メディアで大きく報道されたからと言ってそれが正しいと思い込まないように気をつけていきたい。これまでも気をつけてきたつもりだったけど、この本を読んで、何か自分の考えがあり、それを補強するような報道がなされた時に、無意識にそれを正しいと思い込んでいたかもしれないと改めて反省した。


 教育についてはまた興味が出てきたら面白そうな本を読んでみようと思う。良い本があったら知りたい。