ビジネスを学んでみようシリーズ第二弾。今回は価格.com 賢者の買い物を読んだ。
この本は創業者の槙野さんが始めたサイトから、その後価格.comやカカクコムという会社がどのように成長してきたかについて書かれている。カカクコムという会社は1997年に設立され、すでに社長は3代目となっており、それぞれの社長とともに価格.comというサイトがどのように成長していったかについて書かれているのが面白い。
この本を読んでみると、最初の社長である槙野さんは、前回書いたサイバーエージェントの藤田さんと反対に、非常に強気で毒舌だなという感想を抱いた。オタクっぽいなーって感じ。2chのひろゆき氏っぽい。この人は発想のスケールが大きく、価格.comの根幹となる仕組みを初めのほうで考えだしていて、かつそれをきちんと実現しているのがすごい。
槙野さんは
みたいな信念をずっと持っていて、その信念を貫き通し、わずか4年で社長を退いたというのが良かった。
その後社長が穐田さんに変わり、これまでのカオスな価格.comから治安をしっかり保つ価格.comに変わっていったというのも面白い。社長が変わることにより、思想やビジョンが変わるため、やはりこういうことも起こるのだなと感じる。けれど見ていると、それは悪いことではなくて、どちらかというの一代目と二代目の思想が混じりあった良い物になっているように見えた。社長が変わるということでこういう変化も起こるのか。更にその後田中さんに社長が変わっているのだけど、変わらず業績を伸ばし続けているのもすごい。
この本の中で二つほど興味深かった話がある。
一つ目は槙野さんが言っている「誰も経験したことのない未知の世界では、裏付けをとるのは不可能なんです。」という言葉。この言葉なぜかけっこう心に刺さった。未知の世界を作り上げるには確かに裏付けは難しそう。その分槙野さんはどのようなことをしたいかを語っているので、ビジョンは必要なのだろうなーと思った。
二つ目は、価格.comのトラフィックの谷の話。価格.comでは年末年始、ゴールデンウィーク、お盆など何回かトラフィックが落ちる谷があるらしい。この谷を埋めるには逆に休暇最中に人気である旅行や映画を取り込んでいく事が必要であったと書かれている。実際にeiga.comやフォートラベルを子会社化し、そのような戦略を取っている。
ビジネスを考える上では、このような感覚は必須なのだろうと思う。例えばPVを考えるだけでも、週末にトラフィックが落ちる傾向のあるサイトや、逆に休みの日に上がるサイトなどがある。これらをどうやって安定させていくかというのを考えたり、その特色を活かす方法を考えるのもビジネスなんだろうなと思った。
総じて今回の価格.comの話は面白かった。こういう話、これまで興味が全くなかったので、読んでみると新しい知識が入ってきて面白い。さらに本を読んで行きたいと思った。
ビジネスを学ぶシリーズ次はぐるなびです。