こんな会話がありました。
@shiba_yu36 そのお店、月桂冠しかないので最高っぽい大吟醸のそれたのんで見たんですけど、そこいらの地酒純米酒に劣る風味でした。香りもないし、味も旨味なくて印象に残らなかった...すぐに店でました
— ペロペロ (@experopero) 2013年10月19日
@shiba_yu36 そうですね...別に大吟醸だからといって味が保証されているわけではないですね。まあ手間かかってるし、純米に比べて美味い酒の割合は多い気はしているのですが...
— ペロペロ (@experopero) 2013年10月19日
@shiba_yu36 なるほど〜。そういえば大吟醸でうまい酒って飲んだこと無い気がします。いつも行ってる店も純米オンリーだし。適当に買う時もとりあえ純米でうまい酒探すという感じでした。
— ペロペロ (@experopero) 2013年10月19日
うーん、ちょっと誤解されているなーという感じだったので、じゃあ日本酒のラベルに書いてある用語ってどういうことなの?っていうのを僕が知っているなりに書いてみます。たぶん厳密性はありません。正確性もそこまで保証はしないです。あと美味しいかどうかみたいな話は全体的に主観です。
純米、本醸造、普通酒
これは前にも記事を書きました。社内LTで日本酒のことを話しました - $shibayu36->blog;
簡単に言うと、この区分は醸造アルコールがどのくらい入っているかの区分です。
- 純米 : 醸造アルコールなしで米、米麹、水のみで作ったもの
- 本醸造 : 醸造アルコールも添加しているもの、ただしその量には制限がある。
- 追記: さらに、精米歩合70%以下でないといけないそうです
- 普通酒 : 醸造アルコールを添加し、その制限が本醸造の区分を超えているもの。味の調整に化学調味料をさらに添加しているものもある
見分けるのは簡単で、裏のラベルに大体書いてあります。ちゃんと書いてなくても、原材料みたいなところに醸造アルコールが無かったら純米、みたいに区別できます。
ものすごく主観で言うと、この中では純米を選ぶのが良いと思っています。外れにくいです。しかし、このお酒は醸造アルコールを添加するほうがすっきり感が出て良い、みたいに味を突き詰めた結果、区分的に本醸造になるようなお酒もあります。このようなものは純米より逆に美味しい本醸造もあったりしますね。
ちなみに飲み放題のようなお店で出てくるような日本酒はあまり良くない本醸造か普通酒が多い気がします。ビールはある程度ちゃんとしたビールが出てくるのに、日本酒はちょっと微妙なのが出てくるので悲しいですね。まあ多少割高なところもあるので仕方ないです。
特別〜、吟醸、大吟醸
こちらは「利用している米をどれだけ磨いたか」という区分です(ただし作り方みたいなのも関係します)。磨いたというのはわかりづらいかもしれませんが、どれだけ削ったかってことです。この値は裏のラベルに精米歩合という名前で書いてあります。60%って書いてあったら、40%削ってるってことです。削れば削るほど米の中心の良い部分が使えるけれど、お酒に使える量が減るので高くなります。
で、これの磨き度合い + 作り方でどれを名乗れるか決まります。
- 特別〜(特別純米酒) : 特別な製造方法、又は精米歩合60%以下
- どちらかを満たせばいいんですね、今回調べるまで知りませんでした
- 吟醸酒 : 精米歩合60%以下、かつ吟醸造り
- 大吟醸酒 : 精米歩合50%以下、かつ吟醸造り
さて、この区分の場合、どれが美味しいかは個人的には難しいです。削れば削るほど美味しくなるとは限りません。
個人的には大吟醸のような多めに削ってあるお酒のほうが、すっきりしていて洗練された味がします*1。少し雑みのあるお酒を飲みたい時は、精米歩合60%以上のお酒*2を飲んだりします。日置桜純米強力鍛造生もとっていうお酒は精米歩合が80%ですが、非常に美味しいお酒です。
ちなみに日本酒の表のラベルにはここまでで説明した2つの区分を組み合わせた名前が書いてあることが多いです。特別純米、純米吟醸、大吟醸など。吟醸、大吟醸としか書いていない奴は大抵本醸造です。
日本酒度
これは日本酒の辛さ甘さをを表す用語です。裏のラベルに+3とか0とか-3とか書いてあります。+側が辛く、-側が甘くなる傾向にあります。ここでいう辛い甘いというのは一般的に想像されるような辛い甘いではないかもしれません。
これもどれが美味しいっていうのはなく、完全に好みです。日本酒度が違う幾つかのお酒を飲んでみて好きだったのに近いお酒を買ってみるというのが良いと思います。ちなみに僕は辛いほうが好きです。
あと今回調べて初めて知ったんですけど、厳密には日本酒度ではなく甘辛度というのが甘さ辛さを表すようですね。ただ普通に買う分にはそこまでの厳密性はいらないとは思います。
生もと、山廃、速醸
こちらは作るときの工程で分けた区分ですね。この区分は僕も詳しくは知りません。
なんとなく調べてみると、生もとは伝統的な作り方で非常に手間がかかる分、濃醇な味になるようです。まあ生もとだから濃醇っていう感じになるほど、単純ではないと思います。僕はなぜか生もととか山廃とか書いてあるやつのほうが好きです。味が好きなのか、作り方が大変だと無意識に美味しいと感じてしまうのか、どちらなのかはわかりません。
生もとや山廃の工程で作られたものは、ラベルにそう書いてあることが多いです。純米生もと造りって書いてあったり、山廃純米って書いてあることがあります。
生酒、火入れ、ひやおろし、新酒、古酒
上で説明した以外にもなんかいろいろあります。
まとめ
なんかいろいろ日本酒に関する用語を書いてみました。こういう用語を知っていると日本酒を選ぶときにもラベルを見ながら、これはこういう意味かーっていうの分かるので楽しいと思います。あと誤解も少なくなります。
あとこのへんの知識大体この本に載ってます。興味が出たら買ってください。
それと適当に僕が好きな日本酒書きます。
花垣「超熟純米古酒」。僕の地元周辺のお酒なのですが、これより好きな日本酒を未だに見つけてないです。
大七 純米生もと クラシック。途中で説明した生もと造りのお酒です。熱燗が美味しいので熱燗で飲んでください。
真澄純米吟醸 山廃造り。山廃造りっていうので作ってる、真澄っていうお酒です。これも熱燗が美味しいです。日本酒が初めての人でも美味しいと思います。
義侠えにし純米。これも美味しいです。義侠ってお酒全部美味しいです。もう言葉が出てこなくなってきた。
終わり。
追記1
確かに僕は普通酒あんまり飲んだこと無いので、誤解かもしれません。
普通酒に良いものは無いだって!爆笑。十九や三芳菊の普通酒飲んでみなよ。等外米使ったスーパー普通酒ってのがあるんだから。それらを別枠だと?いやいや、本当の普通酒でも美味いのあるのに! / “日本酒のラベルに書いてある区分や用語 - …” http://t.co/VHC4pHCsMF
— UG (@idealstream) 2013年10月21日
追記2
本醸造、普通酒の部分に誤りがあるようです。指摘ありがとうございます。
@shiba_yu36 日本酒の記事を読ませていただきました。で、すみません。いくつか間違いが見受けられるようです……2006年に酒税法が改正されてから「三倍増醸酒」は現在作れなくなっているんです。なので普通酒(三倍増醸酒)という記述は訂正した方がいいかとー
— むむ@醤油手帖 (@mu_mu_) 2013年10月21日
@shiba_yu36 あと、本醸造も醸造アルコールの量だけではなく、精米歩合70%以下でないといけません。純米酒も昔は70%以下だったんですが、こちらは現在制限が撤回されて、精米歩合80%とかでも純米酒と名乗れるようになっています
— むむ@醤油手帖 (@mu_mu_) 2013年10月21日
追記3
良い普通酒とかも紹介してもらえたので書いておきます。
@shiba_yu36 杜氏が「俺が飲みたい酒つくるんじゃーー!」っていう杜氏のやりたい放題少量生産の酒にはくっそうまい普通酒がままあります http://t.co/Aaocf87AmZ
— 🐢🐢🐢🐢🐢 (@kituneponyo) 2013年10月21日