自己啓発書の名著と言われている、「道は開ける」を読んだ。
この本は、人がかならず当たる問題なのに悩みということに関する本が無いという前置きをした上で、悩みということを主題として悩みの克服方法などについて教えてくれる。けっこう古い本だし、少し難し目な文章を想像していたけど、思ったより平易かつ必ず章の最後にちょっとした要点がまとめられていたので楽に読めた。いろんなことに悩んでしまうような人にはかなりためになる文章が書かれているのでおすすめ。
今回はこの本で言及されていた
- 悩みをどう解決するか
- 気にする必要もなく、忘れてもよい小事で心を乱してはならない
- やっかいごとを数え上げるな、恵まれているものを数えてみよう
あたりについて書いてみる。
悩みをどう解決するか
さすがは悩みについて書かれた本ということで、悩みをどう解決するかについては様々な知見が得られた。
まず悩みを持ってしまったら次のような3ステップで解消していくべきであると書かれている。
- 「起こりうる最悪の自体とは何か」を自問すること
- やむを得ない場合には、最悪の事態を受け入れる覚悟をすること
- それから落ち着いて最悪状態を好転させるよう努力すること
例えば仕事でミスをしてしまった時に、最悪の状況を200万円の損失と定義付けて、そこは覚悟した上で、では損失をどのようにして軽減していくか考える、というようなこと。実際にこの本には損失を覚悟することで好転するための策を考えて実行していった所、逆に利益を出すという状況を作り出すことが出来た、などの例も書かれている。
この3ステップ良いなと思うことは、最悪の状態を考えることによって、まず現在の悩みの底を知ることができることだと思う。それにより覚悟もつくし、その底が起こらないように対策する心構えもできると思う。
また他にも悩みの九割は次の四段階のステップを踏めば解決することができるとも書いてある。
- 悩んでいる事柄を詳しく書き記す
- それについて自分ができることを書き記す
- どうするか決断する
- その決断をただちに実行する
これも確かにという感じ。悩みを抱えているときは、得てしてなぜ悩んでいるのか何を悩んでいるのかがはっきりしなくなりがちで、なんとなく嫌な気分にずっと陥っていることが多い。しかしそれを書き記すことにより、自分の頭のなかで悩みの理由を具現化することが出来、それに対する対策を考える余裕ができるとかんがえられる。
さらにもうひとつ悩んでいるときは、「忙しい状態でいること」が効果的であると書かれている。
この本の中で人は二つのことを同時に考えることが出来ないとしている*1。さらに同時に思考できないということの派生として、同時に別の感情を抱くことが出来ないということも言っている。
このことにより、悩んでいるときはその悩みを考えられなくなるほど頭を忙しい状態にしておくことが重要であると書かれている。
これも確かにという感じで、意気消沈している時でも、とりあえず仕事に来て頭を働かせていると、その瞬間は気分が悪くなくなるという経験をしたことがある。これが上で話している同時に考えることが出来ないということなのだろう。ただし注意が必要でそういうふうにした時にでも、仕事が終わったあとにまた意気消沈状態が戻ってくるので、その状態すらなくすほど忙しくしたほうが良いということなのだろう。
以上三点が今回本を読んでいる中で、悩みの解消方法について印象に残ったことだった。
気にする必要もなく、忘れてもよい小事で心を乱してはならない
この本の中で、そもそもほとんどの悩みは「気にする必要もなく、忘れてもよい小事」であると書かれている。この言葉けっこう印象的であり、確かにこれまで悩んでいることのほとんどは、最悪の自体を考えてみても特にほとんど問題になることはなく、そうであるなら「気にする必要もなく、忘れてもよい小事」なのだろう。そのあたり、意識的に気をつけていきたい。
やっかいごとを数え上げるな、恵まれているものを数えてみよう
「やっかいごとを数え上げるな、恵まれているものを数えてみよう」という言葉もけっこう心に響いた。普通に過ごしていると得てして、今日はこれも困ったしあれもこれも、みたいなやっかいごとを数えることになりがち。そうではなくて、今日はこういうところが良かった、などと良い面を意識的に数えたほうが良いと思った。
まとめ
今回は「道は開ける」を読んで、特に悩みの解消方法について深く言及してみた。毎日毎日代わる代わる悩みを抱いているような僕のような人にはそこそこ参考になる本だった。ただし、最初の150ページくらいは面白いのだけど、その後ちょっと中だるみするので、ある程度飛ばし飛ばし読むくらいで大丈夫だと思う。
カーネギーの本、気になっているのは人を動かすなので、次はその辺りを読んでみたいと思う。