同僚からのおすすめで「採用基準」という本を読んだ。
この本、タイトルだけ見ると人事系の話なのかと思ったら、最初のほうで求めている人材は将来のリーダーになりうる人であると書き、その後ずっと全員が持つべきリーダーシップについて教えてくれるという本だった。非常に参考になった。
ちょっと前に読んだ「最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと」で扱ってるリーダーはどちらかというと上でチームを引っ張っていく人のことだったけど、この本で書いているリーダーシップはこれとはちょっと違って(本当に微妙な違いだけど)範囲の大小は違うけどチームの成果を最大にするために全員が持つべきものとして話が進んでいて興味深い。
印象に残ったところをまとめていく。
全メンバーがリーダーとしての自覚を持つ
この本ではリーダーシップは全員に必要で、一人がリーダーその他がフォロワーというチームより全メンバーがリーダーとしての自覚を持ったチームになったほうが生産性が高くなると書いてある。
これは確かにと思える。それぞれのタスクに関して全て上司に聞くという状態になるより、割り振られた各タスクを取りまとめるのは自分と認識して上司からの指示待ちではなくこちらから提案していくくらいに、全員がなったほうがタスクが進行しやすいなと思う。
一方でどのような仕組みにすると、そのようなチームになりやすいのかが気になる。感覚的には規模が小さい方がリーダーシップ取りやすく、役割がある程度伝えられたほうがリーダーシップとりやすいような気がしている。チームで取り組むプロジェクトごとに小さいチームを作って、その中でこのチームに関してはこの人が最終的に決断しようとか決めておくと良いのだろうか。
リーダーがなすべき四つのタスク
この本読んでいて一番参考になったのは、4章で述べているリーダーがなすべき四つのタスクという話だった。その中でリーダーがなすべきことは以下の四つに収束するって書いてある。
- チームが目指すべき成果目標を定義する
- 実行する最初のひとりとして、先頭に立つ
- 決断する
- 明確に他の人に意見を伝える
あるチームを作ったときになんかぼんやりしてて進まないなと思うチームをたまに経験するのだけど、上の四つを見ると、確かにそういうときにどれかが足りないことが多いなと思った。リーダーがどこを目指すか提示しなかったり、なぜか前に立ってくれなかったり、決められなかったり、なぜそれをしたいか明確に伝えてくれないときにけっこうぼんやりするイメージ。
自分が担当するチームがあったときに出来る限りぼんやりなりたくないので、上の四つは意識しておきたい。
もう少し調べないとなんとも言えません
この本の中に、議論している中で「もう少し調べないとなんとも言えません」と言ってて全て持ち帰りで考えていると何のバリューも出せない、その場の条件で一定の決断をする必要があるって書いてあった。最近同僚に息を吸うように決断する必要があるよと言われたけど、その話と近いのかなと思う。一概には言えないと思うけど、なんか最近そういうこと言ってしまったことがいくつかあるので気をつけたい。
もし言うとしても、「今の段階ではここまでは判断できます」「今の段階では決定できないので、こういう情報をさらにください」みたいな感じで更に具体的に明確に言ったほうが議論を進められると思った。
まとめ
本を読んで全員が持つべきリーダーシップについて知識を増やすことが出来たので良かった。ただ全員がリーダーシップを持つべきというのは分かって、かつリーダーシップは鍛えられるものと書かれているけど、実際にどのように鍛えるかについてはあまり言及がなかったので、そのあたりについてはもう少し考える必要がありそうだった。