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クラスター株式会社のソフトウェアエンジニアです。エンジニアリングや読書などについて書いています。

「最新住宅業界の動向とカラクリがよ~くわかる本」読んだ

地域No.1工務店の「圧倒的に実践する」経営を読んだ - $shibayu36->blog;に引き続き、業界理解として「図解入門業界研究 最新住宅業界の動向とカラクリがよ~くわかる本」を読んだ。

かなり網羅的に書かれているのでざっと流し読みした。今の段階では住宅業界の背景を知る部分が一番理解しやすかった。業務で必要になるに応じて該当部分を再読するようにしたら理解が深まりそうだ。

興味深かったのは以下のポイント。

  • 空き家管理が新たなビジネスに
  • 日本では住宅投資額に対してストック額が少ない
    • 中古住宅の資産価値を高める必要性
  • 欧米と比べて住宅の質に差がある
    • 住宅の寿命がアメリカ67年、イギリス81年に対して、日本は26年
    • 近年は徐々に改善
  • 住宅産業は今は地場産業。戸建て住宅の85%は地域の工務店などが作っている
  • 気付き:住宅営業もカスタマーサクセスっぽくなりつつあるみたい

読書メモ

* 新設住宅着工戸数はピークの半分に 7
* 大工は50歳以上が6割 6
* 空き家管理が新たなビジネスに 7
* 日本では住宅投資額に対してストック額が少ない 9
    * 中古住宅の資産価値を高める必要性
* 欧米と比べて住宅の質に差がある 15
    * 住宅の寿命がアメリカ67年、イギリス81年に対して、日本は26年
    * 近年は徐々に改善
* 住宅産業は今は地場産業。戸建て住宅の85%は地域の工務店などが作っている 44
* 住宅の企画から完成まで 55
* 住宅営業もカスタマーサクセスっぽくなりつつあるみたい 56
* 住宅業界の仕事 60
* 現場監督の仕事。この人の質が住宅の品質にも大きく影響する 65
* インテリアの仕事 67
* 仕事のやり方が変化することで、大工の地位が低下している 74
* 建築基準法の変遷 86
* 気づき、住宅はかなり法律の制約を受けるので、法の制約を満たしているか考えながら設計するの大変そう
* 住宅産業はクレームが多い業界 178
    * 伝達ミスが原因なだけのことも多い
* 欠陥住宅が多い理由 180
* 2033年には空家率30% 186
* 新築着工数が少なくなることで、企業間の連携や統合が進み始めている。海外への進出も狙う 240
* これからの工務店経営 242 顧客の声を把握し、説明責任を果たし、実際に実現する技術力が必要

地域No.1工務店の「圧倒的に実践する」経営を読んだ

「建設DX」読んだ - $shibayu36->blog;に引き続き、業界理解として地域No.1工務店の「圧倒的に実践する」経営を読んだ。かなり面白かった。

この本に書いてあることを自分の中で落とし込むと「工務店がいかに自分の顧客に対してカスタマーサクセスを実践していくか」ということだったと思う。自分は建設SaaSに携わる中で工務店の人たちを顧客としてカスタマーサクセスを考える必要があるが、さらにその先の工務店が主体のカスタマーサクセスの片鱗を見れたことは業界への解像度をより高めることに繋がった。

この本の中で印象に残ったところは以下の点だった。

  • 工務店にとっての劇的変化、1.クラウド、2.スマホ、3.チャット
    • クラウドにデータを集め、どこでも仕事できるように
    • お客さんはスマホで情報収集している
    • スピード感のあるコミュニケーションのために顧客ともチャットを利用する
  • 点検などアフターサービスを充実かすることにより、営業せずともお客さんが自らリフォームしたいと相談しやすい接点が生まれる
    • 気付き:カスタマーサクセスによる営業活動というイメージ
    • アフターサービスに不可欠なのが顧客管理
  • 顧客管理の2つの目的
    • 1.将来の優良なリフォーム顧客を大切にし長期存続できるアフター体制を構築する
    • 2.お客さんとの信頼ネットワーク
  • 利益を残すには「標準化」と「平準化」
    • 標準化により良質な材料をリーズナブルに提供する
    • 平準化により、年中通して安定的に職人が仕事ができる状態にする

読書メモ

* 工務店にとっての劇的変化、1.クラウド、2.スマホ、3.チャット 271
    * クラウドにデータを集め、どこでも仕事できるように
    * お客さんはスマホで情報収集している
    * スピード感のあるコミュニケーションのために顧客ともチャットを利用する 359
* 工務店が全力で身につけるべき3つのコツ 377
    * オンライン面談
    * リモート接客
    * 電子契約
* お客様は、1.スマホで情報収集 -> 2.写真口コミで工務店を絞る -> 3.来場する 421
    * このため、スマホで家づくりのことをほとんど勉強できる状態にしておく必要がある
* 点検などアフターサービスを充実かすることにより、営業せずともお客さんが自らリフォームしたいと相談しやすい接点が生まれる 490
    * 気付き:カスタマーサクセスによる営業活動というイメージ
    * アフターサービスに不可欠なのが顧客管理
* 顧客管理の2つの目的 517
    * 1.将来の優良なリフォーム顧客を大切にし長期存続できるアフター体制を構築する
    * 2.お客さんとの信頼ネットワーク
        * 顧客満足度を高めることでお客さんが紹介してくれる
* IT化の前に顧客の整理をする 543
    * 契約顧客、入居顧客、見込み顧客
        * 契約顧客の管理は着工前管理と工程管理の二つのパート 581
    * 顧客管理の徹底度チェックの質問
        * 今月契約日が確定している「契約顧客」の数は?・今月の着工済の現場の数は?・御社の「入居顧客」の数は?(引渡済の累計棟数)・今月来場された「見込顧客」の数は?・今月の初回面談をした営業パーソンベスト3は?・今月の資料請求の数は?・今月の建築確認済の数は?
    * まず着手すべきは契約済のお客様の着工前管理。着工前管理が疎かだと、お客様に工程上の迷惑をかけたり、職人に安定的に工事をしてもらうことができない 586
* 利益を残すには「標準化」と「平準化」 721
    * 標準化により良質な材料をリーズナブルに提供する
    * 平準化により、年中通して安定的に職人が仕事ができる状態にする
* 定期的に自問自答すること 925

「建設DX」読んだ

今回は入社した会社の携わる業界理解ということで、「建設DX デジタルがもたらす建設産業のニューノーマル」を読んだ。

この本からは、建設業がこれから5年ほどで直面する課題や、今後の建設業でのトレンド・新技術について学べた。特に業界課題を把握できたことは、顧客の本当の課題への理解の手助けになると思う。印象に残った or 自分の中の気付きは以下の点。

  • 建設業がデジタル技術を大胆に取り入れなければ解決しない3つの時限爆弾
    • 2024/4以降に建設業にも適用される時間外労働の上限規制
    • 建設技能者(職人)の大量離職問題。14年度に343万人いたが、25年度までに109万人いなくなる
    • 24年ごろからはゼネコンの技術者も一斉定年退職(バブル入社組)
  • 建設業は「単品受注生産」「屋外生産」といった背景から、製造業と比べて生産活動の効率化ができなかった
  • 建設許可業者の大半(60%程度)は零細企業や個人。建設業就業者はピーク時から27%減
  • 気付き:東日本大震災の復興事業、五輪誘致の増加が2021年以降終わりそうだがどうなる?
  • 建設業の労働生産性はこの20年変わっていない
  • 気付き:建設業の最重要テーマとしては生産性向上がある
    • 2024年4月で15%ほど作業時間が減るのをなんとかする必要性
    • 一方で生産性向上だけでは安定的な受注に至らないのではないか?

読書メモ

* 建設業がデジタル技術を大胆に取り入れなければ解決しない3つの時限爆弾 22
    * 2024/4以降に建設業にも適用される時間外労働の上限規制
    * 建設技能者(職人)の大量離職問題。14年度に343万人いたが、25年度までに109万人いなくなる
    * 24年ごろからはゼネコンの技術者も一斉定年退職(バブル入社組)
* 建設業は「単品受注生産」「屋外生産」といった背景から、製造業と比べて生産活動の効率化ができなかった 34
* 建設産業の主なプレーヤー 197
* 建設許可業者の大半(60%程度)は零細企業や個人。建設業就業者はピーク時から27%減 198
* 東日本大震災の復興事業、五輪誘致の増加が2021年以降終わりそうだがどうなる? 198
* 建設業の労働生産性はこの20年変わっていない 199
* 気付き:建設業の工場化という流れがある 432、2499
    * 単品受注生産、屋外生産でも適用できる工場化があれば製造業のように効率化できる
* 気付き:建設業の最重要テーマとしては生産性向上がある 678
    * 2024年4月で15%ほど作業時間が減るのをなんとかする必要性
    * 一方で生産性向上だけでは安定的な受注に至らないのではないか?
* 5Gの「高速・大容量」「低遅延」「同時多数接続」の特徴によって、作業の遠隔化などの期待が高まっている 1003
    * 現場に縛られる働き方を脱却すれば3K(きつい、汚い、危険)のイメージ払拭につながる 1064
* 建設ロボットは、生産性向上以外にも、「苦渋作業」から人を解放する 1166
* 気付き:建築にBIMモデルを生かすことにより、さまざまなツールを使えるようになりそう 1550
    * 自動審査、3Dプリンタ、複合現実
    * BIMモデルのデータは維持管理にも使える。不具合、修繕の記録の蓄積・共有や改修計画の立案など 1757
    * 23年度までに国土交通省が発注するすべての公共工事でBIM/CIM(土木用BIM)を活用する目標を掲げている 1829
* 3Dプリンティングは生産性向上やデジタル化の貢献に期待される 2381
* モジュール化によって、工場で実施する作業が増える。これにより悪天候の影響緩和や、基礎工事との並列化が可能になる 2420
* マッキンゼーが予測する9つの変化 2523
    * 製品ベースでのアプローチ:建築物は標準化された「製品」に
        * 標準化しやすくするためには規模も大事ということが重要。それが統廃合や国際化などが進む
    * 専門特化:高層住宅・病院といった自社が優位性を発揮できるセグメントに特化し始める
    * バリューチェーンの制御と産業サプライチェーンの統合:垂直統合や戦略的提携などによってサプライチェーンの統合に
    * 統廃合
    * 顧客中心主義とブランディング
    * 技術や設備への投資
    * 人材への投資
    * 国際化
    * 持続可能性