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クラスター株式会社のソフトウェアエンジニアです。エンジニアリングや読書などについて書いています。

「建設DX」読んだ

今回は入社した会社の携わる業界理解ということで、「建設DX デジタルがもたらす建設産業のニューノーマル」を読んだ。

この本からは、建設業がこれから5年ほどで直面する課題や、今後の建設業でのトレンド・新技術について学べた。特に業界課題を把握できたことは、顧客の本当の課題への理解の手助けになると思う。印象に残った or 自分の中の気付きは以下の点。

  • 建設業がデジタル技術を大胆に取り入れなければ解決しない3つの時限爆弾
    • 2024/4以降に建設業にも適用される時間外労働の上限規制
    • 建設技能者(職人)の大量離職問題。14年度に343万人いたが、25年度までに109万人いなくなる
    • 24年ごろからはゼネコンの技術者も一斉定年退職(バブル入社組)
  • 建設業は「単品受注生産」「屋外生産」といった背景から、製造業と比べて生産活動の効率化ができなかった
  • 建設許可業者の大半(60%程度)は零細企業や個人。建設業就業者はピーク時から27%減
  • 気付き:東日本大震災の復興事業、五輪誘致の増加が2021年以降終わりそうだがどうなる?
  • 建設業の労働生産性はこの20年変わっていない
  • 気付き:建設業の最重要テーマとしては生産性向上がある
    • 2024年4月で15%ほど作業時間が減るのをなんとかする必要性
    • 一方で生産性向上だけでは安定的な受注に至らないのではないか?

読書メモ

* 建設業がデジタル技術を大胆に取り入れなければ解決しない3つの時限爆弾 22
    * 2024/4以降に建設業にも適用される時間外労働の上限規制
    * 建設技能者(職人)の大量離職問題。14年度に343万人いたが、25年度までに109万人いなくなる
    * 24年ごろからはゼネコンの技術者も一斉定年退職(バブル入社組)
* 建設業は「単品受注生産」「屋外生産」といった背景から、製造業と比べて生産活動の効率化ができなかった 34
* 建設産業の主なプレーヤー 197
* 建設許可業者の大半(60%程度)は零細企業や個人。建設業就業者はピーク時から27%減 198
* 東日本大震災の復興事業、五輪誘致の増加が2021年以降終わりそうだがどうなる? 198
* 建設業の労働生産性はこの20年変わっていない 199
* 気付き:建設業の工場化という流れがある 432、2499
    * 単品受注生産、屋外生産でも適用できる工場化があれば製造業のように効率化できる
* 気付き:建設業の最重要テーマとしては生産性向上がある 678
    * 2024年4月で15%ほど作業時間が減るのをなんとかする必要性
    * 一方で生産性向上だけでは安定的な受注に至らないのではないか?
* 5Gの「高速・大容量」「低遅延」「同時多数接続」の特徴によって、作業の遠隔化などの期待が高まっている 1003
    * 現場に縛られる働き方を脱却すれば3K(きつい、汚い、危険)のイメージ払拭につながる 1064
* 建設ロボットは、生産性向上以外にも、「苦渋作業」から人を解放する 1166
* 気付き:建築にBIMモデルを生かすことにより、さまざまなツールを使えるようになりそう 1550
    * 自動審査、3Dプリンタ、複合現実
    * BIMモデルのデータは維持管理にも使える。不具合、修繕の記録の蓄積・共有や改修計画の立案など 1757
    * 23年度までに国土交通省が発注するすべての公共工事でBIM/CIM(土木用BIM)を活用する目標を掲げている 1829
* 3Dプリンティングは生産性向上やデジタル化の貢献に期待される 2381
* モジュール化によって、工場で実施する作業が増える。これにより悪天候の影響緩和や、基礎工事との並列化が可能になる 2420
* マッキンゼーが予測する9つの変化 2523
    * 製品ベースでのアプローチ:建築物は標準化された「製品」に
        * 標準化しやすくするためには規模も大事ということが重要。それが統廃合や国際化などが進む
    * 専門特化:高層住宅・病院といった自社が優位性を発揮できるセグメントに特化し始める
    * バリューチェーンの制御と産業サプライチェーンの統合:垂直統合や戦略的提携などによってサプライチェーンの統合に
    * 統廃合
    * 顧客中心主義とブランディング
    * 技術や設備への投資
    * 人材への投資
    * 国際化
    * 持続可能性

「カスタマーサクセスとは何か」読んだ

「カスタマーサクセス」読んだ - $shibayu36->blog;に引き続き、SaaSについて学ぶ第三弾として、カスタマーサクセスとは何か――日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」を読んだ。

前回の本よりスッと頭に入ってきて、かつ説明されている成功要因と原則が具体的で適用しやすいものだったため、読んで非常に良かった。印象に残ったのは以下の項目。

  • リテンションモデルの勝者の強さの秘訣は「プロダクトを買ってくれたカスタマーが、それをどう使い・どんな成果を得ているのかを深く理解し、カスタマーへ成功を届けることで、カスタマーがそれ無しでは仕事にならない状態にしている」
    • 気付き:重要ポイントが端的に説明されているのが良い
  • 原則1-2:成功を届けられない相手には売らない覚悟と仕組みを持つ
  • 原則2-2:カスタマーがイライラする負荷をなくす
    • エフォートレス(プロダクトでイライラしないこと)はロイヤルティと強く相関するが、感動や満足とロイヤルティの相関はとても弱い
    • エフォート = カスタマーがプロダクトを使うために要した時間やエネルギー
    • エフォートレスな体験を届けることは、オンボーディング以降の育成・支援フェーズ全体を通じて常に非常に重要
    • 気付き:エンジニアリングをしていると使ってみて感動することに意識が向きがちだが、「イライラしない」に目を向けるべきと気づけたのが良かった
  • 原則3:プロダクトチームとサクセスチームがベタベタに連携せよ
    • 原則3-1:プロダクトチームがカスタマーの声に触れる時間をサクセスチーム主導で作る
    • 原則3-2:カスタマーデータからサクセスチームが洞察を抽出しプロダクトチームに渡す
    • 原則3-3:理想的なカスタマーの人物像と成功への道のりを一緒に作る
    • 原則3-4:共有するゴール指標を最低一つ設定して進捗を定期的に確認し合う
    • 気付き:連携が大事ということは分かっていたが、その具体的なやり方について知れたのは大きい
  • 会社を変えるときは、社長が覚悟がないと必ず失敗する
    • 気付き:わかる of わかる。最低でも経営レベルに一人でも覚悟を持つ人がいないとどうにもならない

読書メモ

* リテンションモデルの勝者の強さの秘訣は「プロダクトを買ってくれたカスタマーが、それをどう使い・どんな成果を得ているのかを深く理解し、カスタマーへ成功を届けることで、カスタマーがそれ無しでは仕事にならない状態にしている」 710
* カスタマーサクセスの基本用語 923
* 月のチャーン率2.5%で、5年目末で新規契約で穴埋めできなくなる 949
    * 売上シミュレーション 
    * チャーンを抑制しながら買い増しも促せると、売り上げの成長スピードは大幅に加速
* アップセル、クロスセルが獲得コストがいかに少ないかがわかる 995
* 成功要因1:ライフタイムバリューの最大化 1083
    * 原則1:成功を届けられるカスタマーとの末長い関係に責任を持て
        * カスタマーをファンにし、お客さんが商品を紹介するほどにする 1105
    * 原則1-1:カスタマーの「成功」を正しく理解する 1123
        * 成功 = カスタマーの事業へ実際にもたらされた成果・業績
    * 原則1-2:成功を届けられない相手には売らない覚悟と仕組みを持つ 1165
        * 徹底する仕組みは
            * 売るべき相手と売ってはいけない相手が一目瞭然になる顧客セグメンテーション開発(例:カスタマーの成功に基づく分類、「成功におけるプロダクトの重要性」x「カスタマーの事業規模」に基づく分類)
            * 売ってはいけない相手に「ノー」と言えるスキルトレーニング
            * 正しいカスタマーに売っているかを評価する指標を決め、定期的に測定して経営陣に報告する
    * 原則1-3:成功を届けるまで責任をもって行動する 1188
        * チェック項目。Noがないように
            * 成功が届いたか確認しているか
            * カスタマーに仕事の仕方を変えてもらうのを、カスタマー任せにしていないか
            * 他社サービスと乗り入れてデータ共有する仕組みがある
* 成功要因2:買ってもらってからが勝負 1243
    * 原則2:素早く・負荷なく・漏れなく成功を届けよ
    * カスタマーのライフサイクル
    * 原則2-1:オンボーディングで「ワオ!」を素早く届ける 1329
        * 気付き:顧客がプロダクトで成功を得て驚く体験をなるべく早くすることでリテンションの足がかりにする
    * 原則2-2:カスタマーがイライラする負荷をなくす 1360
        * エフォートレス(プロダクトでイライラしないこと)はロイヤルティと強く相関するが、感動や満足とロイヤルティの相関はとても弱い 1373
        * エフォート = カスタマーがプロダクトを使うために要した時間やエネルギー
        * エフォートレスな体験を届けることは、オンボーディング以降の育成・支援フェーズ全体を通じて常に非常に重要 1423
    * 原則2-3:漏れなく確実に成功を届ける 1423
        * 基準値に基づき成否を判断し、成否に応じて取るべき打ち手・行動をあらかじめ決めて人に依存しないように
* 原則3:プロダクトチームとサクセスチームがベタベタに連携せよ 1447
    * カスタマーへ成功を届けるためには、機能だけでなく「機能と成功の差分」を埋める部分が大事
    * 原則3-1:プロダクトチームがカスタマーの声に触れる時間をサクセスチーム主導で作る 1522
        * サクセスチームが「カスタマーの目利き」をし、プロダクトチームが耳を傾けるべき重要な声を明確にする
    * 原則3-2:カスタマーデータからサクセスチームが洞察を抽出しプロダクトチームに渡す 1547
    * 原則3-3:理想的なカスタマーの人物像と成功への道のりを一緒に作る 1572
        * サクセスチーム・プロダクトチーム合同で
        * やったことがなければ大体それぞれが考える理想的なカスタマーの人物像は大きくずれている
    * 原則3-4:共有するゴール指標を最低一つ設定して進捗を定期的に確認し合う 1585
        * 一般的な共有ゴールの領域 1598
            * 1. アダプション = カスタマーの定着?
            * 2. アウトカム = カスタマーが手にした成果・成功
            * 3. カスタマー体験
* 成功要因4:データからカスタマーの未来を創る 1620
    * 原則4:データの統合・分析に投資し組織全体でデータをフル活用せよ
    * リテンション成長方程式の例 1661
    * 原則4-1:データの統合・分析に投資
    * 原則4-2:組織全体でデータをフル活用する
* 成功要因5:スケーラビリティ構築力 1842
    * 原則5:カスタマーの手と知恵を活かせ(そのための基盤を育め)
    * スケーラビリティを上げるための究極の秘訣二つ 1863
        * セルフサービス = カスタマーの自助。自分で問題解決ができる
        * ピアツーピア = カスタマー同士の互助。ユーザーグループなど
    * 原則5-1:自助・互助が促進される基盤を丁寧に育む
* カスタマーサクセスとは、「カスタマーセントリックな企業文化、ないしそれが根付いた企業のあらゆる活動そのもの」 2004
    * 以下の三つの行動すべてに自信を持って「はい」と言えるならカスタマーセントリック
        * 1. 私がカスタマーならを常に考える。何かを判断するときは「私がカスタマーなら賛成か?」を必ず問い、カスタマーの成功につながることが常に最優先で意思決定される
        * 2. カスタマー体験の良し悪しと彼らが手にした成功を数字で測定している。それが企業の経営目標とリンクしていて、各組織はその経営目標の一翼を担うことで組織が一枚岩になっている
        * 3. カスタマーの声を収集しプロダクトや業務に反映するフィードバックループの仕組みがある。結果として企業のあらゆる活動が首尾一貫して素晴らしいカスタマー体験に直結している
* 会社を変えるときは、社長が覚悟がないと必ず失敗する 2078
    * 気付き:わかる

「カスタマーサクセス」読んだ

「THE MODEL」読んだ - $shibayu36->blog;に引き続きSaaSを学ぼうということで、カスタマーサクセス──サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則を読んだ。なぜSaaSサブスクリプションモデルではカスタマーサクセスが重要なのか、そもそもカスタマーサクセスとは何か、カスタマーサクセスがもたらすものは何か、カスタマーサクセスで追いかけるべき指標は何か、カスタマーサクセスを行う上で大切にすべき原則は何か、といった内容を学べた。

特に印象に残ったのは以下の部分だった。

  • サブスクリプションモデルの浸透によって、たくさんの顧客に継続的に販売しなければならなくなり、カスタマーサクセスの重要性が増している
    • 開始・離脱が簡単になったことにより、決定権のパワーが顧客側にシフトしている
  • カスタマーサクセスは、自社の成功のために顧客をサポートするのではなく、顧客の成功を第一の目的とする
    • カスタマーサクセス = 顧客の成果 + 顧客の経験
    • それぞれの顧客がどのような状態かデータで把握し、顧客をより良い状態に導く
    • 顧客の階層に応じて、ハイタッチ、ロータッチ、テックタッチという対応レベルを使い分け、顧客の成功と自社の収益とが両立する合理的なバランスを取る
    • 成功を得られた顧客は継続顧客となり、それから得る定期収益が自社に成功をもたらす
  • カスタマーサクセスがもたらす利益3つ
    • チャーンの減少と管理
    • 既存顧客の契約金増
    • カスタマーエクスペリエンスと顧客満足度の向上
  • 原則1:正しい顧客に販売しよう
    • チャーンの原因の大部分は間違った顧客への販売。間違った顧客に売るくらいなら売らない方が良い
  • 原則7:タイムトゥバリューの向上にとことん取り組もう
    • できるだけ早くに顧客が製品から価値を享受できたと思われる必要がある
    • 12ヶ月間の契約期間に対して、導入と運用に11ヶ月かかった場合と、2ヶ月で完了した場合とでは、更新率はもちろん後者の方が高い

読書メモ

* サブスクリプションモデルの浸透によって、たくさんの顧客に継続的に販売しなければならなくなり、カスタマーサクセスの重要性が増している 22
    * 開始・離脱が簡単になったことにより、決定権のパワーが顧客側にシフトしている 35
* カスタマーサクセスは、自社の成功のために顧客をサポートするのではなく、顧客の成功を第一の目的とする 22
    * カスタマーサクセス = 顧客の成果 + 顧客の経験
    * それぞれの顧客がどのような状態かデータで把握し、顧客をより良い状態に導く
    * 顧客の階層に応じて、ハイタッチ、ロータッチ、テックタッチという対応レベルを使い分け、顧客の成功と自社の収益とが両立する合理的なバランスを取る
    * 成功を得られた顧客は継続顧客となり、それから得る定期収益が自社に成功をもたらす
* カスタマーサクセスは、顧客のリテンションやアップセル・クロスセルを促進するだけでなく、顧客自身が商品を紹介してくれる人を生み出しマーケティングにも寄与する 204
* サブスクリプションモデルでは、新規顧客の獲得・高いリテンション率・アップセルの3つが噛み合う必要がある 282
* カスタマーサクセスとは、顧客の成功につながるような組織または理念 501
* カスタマーサクセスは、チャーンを制御できる 681
* LTVとは、顧客がある会社との関係を持っている間に使うと考えられる金額の合計。SaaS企業にとっての重要な指標 693
* カスタマーサクセスとは、リテンション率とLTVを最大限引き上げることを目標として、カスタマーエクスペリエンスに特化した組織のこと 710
* カスタマーサクセスがもたらす利益 3つ 723
    * チャーンの減少と管理
    * 既存顧客の契約金増
    * カスタマーエクスペリエンスと顧客満足度の向上
* カスタマーサクセスの主な指標 810
    * 総更新数
    * 純リテンション
    * 定着率
    * カスタマーヘルス
    * チャーン
    * アップセル
    * ダウンセル
    * ネットプロモータースコア
* 上記指標を運用するために、次のような取り組みが行われる 830
    * ヘルスチェック
    * 四半期ビジネスレビュー
    * 積極的な訪問支援
    * 教育・トレーニング
    * ヘルススコアの測定
    * リスク評価
    * リスク低減プロセス
* カスタマーサクセスとは何か 928
    * 収益ドライバー
        * 契約更新(チャーン回避)
        * アップセル
    * 能動的
        * 顧客要望に対応するのではなく、データや分析結果から能動的に行動
    * 成功重視
        * 仕事効率ではなく、更新率、アップセル率、顧客基盤全体の成長率に責任を持つ
    * 分析中心、予測性 964
        * カスタマーサクセスをもたらすのは先を見越した予測分析
* カスタマーサクセスという理念は、同名の組織だけではなく、会社全体とその組織文化に浸透しなければならない 977
    * 売上だけでなくリテンション率も全社指標に入っているとか
* カスタマーサクセス文化による製品部門への影響 1076
    * 製品に関する考え方を売上からリテンションへシフトする。潜在顧客が感じた魅力的なイメージどおりの製品が顧客に届かなければならない
* ハイタッチ、ロータッチ、テックタッチ 1261
    * ハイタッチ:最も人手が必要だが、かかった費用は顧客が製品に支払う金額で元が取れる。1社からの利益が多い
    * ロータッチ:ハイタッチとテックタッチの混合
    * テックタッチ:全ての顧客との接点がテクノロジー主導で行われる

### カスタマーサクセスの10原則
カスタマーサクセスの10原則とは、「カスタマーサクセスを成功させるために、そして成功する定期収益ビジネスを生み出すために、私の会社に必要なものは何だろうか」に答えるもの 1569

* 原則1:正しい顧客に販売しよう 1572
    * チャーンの原因の大部分は間違った顧客への販売 1700
* 原則2:顧客とベンダーは何もしなければ離れる 1767
    * 気付き:辞めるコストが低く、外部環境の変化も激しくなっているため、常に変化が求められる
* 原則3:顧客が期待しているのは大成功だ 1987
    * 顧客は機能を使うために買うわけではない。顧客は事業目標を達成したいから製品を買う
    * 顧客を大成功に導くために理解しなければならないこと3つ 2002
        * 顧客はどうやって成功を測っているか。顧客が勝利宣言するために求められる成果は何か
        * 顧客はその価値を達成しているか、現実的に達成が可能な道を進んでいるか
        * その過程で、顧客はあなたからどんなカスタマーエクスペリエンスを得ているか
* 原則4:絶えずカスタマーヘルスを把握・管理する 2223
    * リテンションに関わる指標あるカスタマーヘルスの現状把握と管理は必須
    * 顧客の健全性全体の判定に使えるものの例 2290
        * 製品定着率:製品利用頻度や、最も魅力的な機能を使っているか、利用者の人数、幹部レベルの人は使っているか、役員会議や取締役や部内会議などで使われているか
        * カスタマーサポートの利用状況
        * アンケートなどの調査結果:回答してくれるかどうかも重要
        * マーケティング(例えばメールなど)の関与度:開封率やクリック率など
        * コミュニティへの参加度
        * 契約金額の増減
        * 自立度
        * 支払い履歴
        * 幹部との関係性
* 原則5:ロイヤルティの構築に、もう個人間の関係はいらない 2441
    * 関係構築の手段として人手がかかるものではなく、テクノロジー寄りの方法を取ることが求められている
* 原則6:本当に拡張可能な差別化要因は製品だけだ 2659
    * 人は問題が起きたら自分で気づいて対処したい。自己診断ツールが構築されていれば、ユーザーは自分で答えを見つけられるし、取るべき行動もわかる 2709
        * 気付き:セルフサービススコア
    * あると便利程度の目新しい機能をつけたくなるが、顧客の社内プロセスはそんな機能を使いこなせるほど成熟していないことも多い。製品そのものが提供すべきなのは次の段階への足掛かりである 2782
* 原則7:タイムトゥバリューの向上にとことん取り組もう 2870
    * できるだけ早くに顧客が製品から価値を享受できたと思われる必要がある
    * 12ヶ月間の契約期間に対して、導入と運用に11ヶ月かかった場合と、2ヶ月で完了した場合とでは、更新率はもちろん後者の方が高い
* 原則8:顧客の指標を深く理解する 3073
    * チャーンとリテンションを定義・計測・理解するには、以下の5つのステップで進める 3095
        * 計測方法とCMRRの要素を定める -> 計測期間と頻度を定める -> CMRRの予想値とチャーンの種類を決める -> チャーンの疑いがある状態とチャーン間近の状態とを区別する方法を決める -> 各社の上層部が足並みを揃えて、チャーンとリテンションの基準となる定義と報告方法を固める
        * 更新CMRRをさらに、撤回、ダウングレード、アップグレード、初回アーカイブといった細かい項目に分けると良い
    * 年間定期収益の上昇・下降から踏み込む詳細 3252
        * 契約規模を拡大した顧客の割合は?
        * 最もチャーンレートが高い業界は?
        * 製品ごとのリテンションと成長率は?
        * 初回更新における割引率の平均引き下げ幅は?
        * 3年以上継続している顧客の、当初の契約規模に対する平均契約規模は?
* 原則9:ハードデータの指標でカスタマーサクセスを進める 3281
* 原則10:トップダウンかつ全社レベルで取り組む 3506
    * カスタマーサクセスは会社全体に広げなければならない理念
    * どこから始めれば良いか 3575
        * 顧客にとっての成功を定義する。顧客に成功は何かヒアリングする
        * 成功に関して全ての部署が協力できるようにする
        * カスタマーサクセス部門の話に耳を傾ける
        * カスタマーサクセスに関することを最優先する
        * カスタマーサクセス部門に権限を与える
        * カスタマーサクセスを計測する・可視化し定期的に見る
        * カスタマーサクセスに報奨を与える