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クラスター株式会社のソフトウェアエンジニアです。エンジニアリングや読書などについて書いています。

「THE MODEL」読んだ

SaaSをちゃんと学び直そうということでTHE MODELを読んだ。SaaSに関する営業活動のやり方全体を学べた。

以下の内容が個人的に印象に残った。

  • 営業活動をマーケティングインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスマネージャーと顧客の状況ごとに分業するモデル
  • 商談に至らないリード、失注、未フォローを再び商談化のプロセスへリサイクルする。ビジネスが続けば続くほど効果的となる
  • 人間はグループに分けられると敵対しやすい。関係を良好化するには、接触回数増加・コミュニケーションの内容改善だけでは不足。共同で作業することによって達成可能な共通の目標が有効

読書メモ

* あれば便利だが、なくても業務が回るものは、その必要性を認識してもらうところがスタート。最大の競合は「何もしない」という選択肢 404
* 部門の役割と目標 446
    * マーケティング:市場からリードを獲得する
    * インサイドセールス(SR):リードを商談化する
    * フィールドセールス(AE):商談から受注する
    * アウトバウンドのインサイドセールス:ターゲットとする企業や業種から商談を作る
    * カスタマーサクセスマネージャー(CSM):受注した顧客のリテンション
* 商談に至らないリード、失注、未フォローを再び商談化のプロセスへリサイクルする。ビジネスが続けば続くほど効果的 635
    * リサイクルはリード獲得コストがかからない
* 現代は、情報収集、比較検討、意思決定といった購買プロセスのうち、前半の67%は営業担当者が接触する前に終わっている 761
    * 気付き:Webなどで問い合わせせずとも情報収集できる環境が重要
* 人間はグループに分けられると敵対しやすい。関係を良好化するには、接触回数増加・コミュニケーションの内容改善だけでは不足。共同で作業することによって達成可能な共通の目標が有効 912
    * 気付き:OKRなどにも繋がってくる
* リテンションモデルのプロセスの全体像 977
    * 実際のオペレーションに生かすためには顧客ステージを設計する必要がある 991
        * 顧客ステージを設定するときは「チャネル」「施策・コンテンツ」「移行判定基準」を意識する 1002
        * 伝えたいメッセージを「コンテンツ」化し、「チャネル」で配信。データを取得し、現在顧客がどのステージにいるかを「移行判定基準」に照らして認識し、手法を変える
* コンテンツマーケティングベストプラクティス 1053
* 評価指標を定めるときは、経営層、各部門長クラス、担当者のそれぞれが、同じ指標を見るのではなく、それぞれが必要な指標のみをまとめるように 1133
    * 気付き:定量化指標を見せる場合には非常に重要
* リードステージの定義と移行判定基準 1228
* 商談フェーズの定義と移行判定基準 1413
* カスタマーサクセスのプロセスと具体的な施策 1936
* カスタマーサクセスの業績指標 2039
    * 総契約更新金額
    * 総契約更新件数
    * チャーン
    * 活用スコアなどの定着を測る指標
    * ヘルスチェックのスコア
    * アップセル / クロスセル
    * NPS(ネットプロモータースコア)
* 孫氏の兵法:勝利を知るための五つのこと 2118
    * 1. 戦ってよい時と戦ってはいけないときとをわきまえていれば勝つ
    * 2. 大軍と小勢のそれぞれの用い方を知っておれば勝つ
    * 3. 上下の人々が心を合わせていれば勝つ
    * 4. よく準備を整えて油断している敵に当たれば勝つ
    * 5. 将軍が有能で主君がそれに干渉しなければ勝つ
* プロフィットセンターやコストセンターではなく、キャパシティとレバー 2248
    * 気付き:どんな部署も生産性向上を最終目的とするのであれば、レバーという言葉はよい
* 指標を見るときは瞬間を切り取ったスナップショットではなく、トレンドを見ることを意識した方が良い 2371

株式会社アンドパッドに入社しました

2021/10/01から株式会社アンドパッドに入社しました。初めての転職なので緊張しているけれど、早めに馴染みたい。

andpad.co.jp

転職活動をしている中でいくつかオファーをもらっていたが、以下の理由で株式会社アンドパッドに入社を決めた。

  • 裏側よりの難しい課題をクラウドネイティブな設計で解決するタスクができそう
  • 組織規模が急拡大していて、組織マネジメントの経験が深まりそう
  • 採用フローがしっかりしていて、今後も良い人がどんどん入ってきそう

裏側よりの難しい課題をクラウドネイティブな設計で解決するタスクができそう

これまでのエンジニア経験の中ではインフラ〜フロントまで全体的に触ってきたが、自分の中ではインフラ領域〜バックエンド領域の中間くらいのエンジニアリングに最もモチベーションが湧いていた。またクラウドネイティブな設計をもっとできる機会があればなあと思っていた。

このように考えていたところ、株式会社アンドパッドの技術ブログで事業の急拡大に伴ってバックエンドのリアーキテクチャリングなど面白いことをやっていて、自分の興味にマッチしていると感じた。例えば次の記事に書かれている内容は自分もやってみたい。

他にもアンドパッドでは画像管理、チャット、プロジェクト管理、契約管理など、さまざまな特性の機能があるため、バックエンドよりでも多様な課題があるだろうというのも面白そうに思ったポイントだった。

組織規模が急拡大していて、組織マネジメントの経験が深まりそう

転職活動中に建設DX企業が語る「これまで」と「これから」の組織づくり|#1 アンドパッド CEO稲田武夫氏 | Wantedlyの記事の以下の内容を見ていて、すごい勢いで人が増えてるんだなという印象を持った。

稲田:アンドパッド社は2021年末に向けて600人規模まで増やす予定です。2020年初に100人規模で、2021年1月現在270名なので、毎年2倍強社員が増える。重要なのは、数百人をマネジメントした経験があるメンバーがどれだけいるか。弊社では執行役員レイヤーが10人ほど居るため、組織づくりに長けたメンバーがいる前提で採用ができています。

またその後の公開されている社員数もチェックしていたが、実際にそのペースで採用も出来ていた。最近は採用も難しいと聞いているが、このペースで人を増やせるのはすごい。

一方で人の数が一気に増えると組織マネジメントもいろんな課題が出てくるだろう。自分自身は組織マネジメントについて元々興味があり、特に組織の構造や仕組みを考えるのが好きなため、人が急増加するタイミングで構造や仕組みを考えるのは非常に面白そうだと感じ、さらに興味が湧いていた。

採用フローがしっかりしていて、今後も良い人がどんどん入ってきそう

自分が前の会社で採用を担当していて、かつ転職活動でいくつかの企業を受けた観点での感想だが、アンドパッドは採用フローが作り込まれていて見極めや魅力付けが非常に上手くできていると感じた。例えば選考フローの中で自分が印象に残っているのは

  • 書類を提出した段階で、今後のどんな選考フローがあり、どのような課題が出されるかを先に教えてもらえた
    • 思っても見なかった選考フローが急に出てくるとワタワタしながら準備することになるので、先に教えてもらえたのは非常に助かった
  • 毎回の面接の際に、今後会ってみたい人について必ず質問され、自分が知りたかった情報を集めやすかった
    • 例えば育児をしているエンジニア、エンジニアリングマネジャー、企画部門のトップ、社長など、基本希望通りの人と面接の機会をもらえた
    • 面接の際は、こちらの見極めの時間だけでなくて、質問の時間を長めに取ってくれたのも好印象だった
  • 選考から、人事/エンジニア/経営が連携して採用してそうだという雰囲気を感じた

採用フローが良く出来ていることは、今後良い人がどんどん入ってくることにも繋がると感じ、より志望度が高まった。

最後に

この辺りの3つの理由 + 面接の中で一緒に働きたいなと直感で思える人が何人もいたため、最終的にアンドパッドに決めた。前に働いていた株式会社はてなと比べると事業特性も技術スタックも相当違うので、早めにキャッチアップして活躍できたらなと思っている。また数ヶ月経ったら振り返りをしたい。

株式会社はてなを退職しました

2021年8月13日の本日が最終出社日でした。しばらく休暇を取り、10月から別の会社でエンジニアをする予定です。

はてなには2010年4月にアルバイトとして入社し、2012年4月からは社員として入社したので、アルバイト2年、社員9年4ヶ月と非常に長い間所属した。仕事の中で、周囲の人の優秀さに圧倒されながら学習とアウトプットをし続け、またいろんなチームや職種を経験させてもらえたおかげで、自分自身がかなり成長できた。はてなに入社できたことで、エンジニア経験がほぼないところから大きく成長できたため、誇張なく人生が変わったと思う。

はてなで経験できたこと

本当に色々経験できたのだが、自分の中で本当に良い仕事ができたなーと思ったことはこんな感じ。

  • 世界規模で動く通知システム
  • はてなブログMediaの立ち上げ
  • カクヨムの立ち上げ
  • 魔法のiらんどのリプレース
  • ブログチームでのチーム改善や、Mackerelチームでのデータ駆動のチーム改善
  • チーフエンジニアとしてメンター制度改善や採用改善など技術組織のマネジメント

この経験の中でバックエンドよりの開発を一から学んだり、開発チーム改善のやり方を学んだり、プロジェクトマネジメントの知識をつけたりと、今の自分の強みを作れた。

また、はてなに所属しながら、仕事に関係する学習や経験をコツコツとブログなどにアウトプットしたことも自分の財産となっている。はてなにアルバイトとして入社する直前に、エンジニアをやるなら学びをブログを書いていかないとなと思い開設し、10年以上書き続け、気づいたら今は1046記事。エンジニア・shiba_yu36さんが10年以上「やったこと」を記録している理由【エンジニアのブログ探訪】 - 週刊はてなブログのインタビューで回答した気持ちで書き続けていたが、このおかげで仕事の経験を自分の中に定着させられたと思っている。

転職を決めた理由

いろんな経験をさせてもらえていたが、今回転職することになった。理由は、新卒で入社してからずっと1つの文化や環境を経験していないというのは今後の仕事人生の中で弱みになるだろうと考えたからだ。1つの場所にずっといると、その場所だけの「当たり前」が世界にとっての「当たり前」と思い込みすぎてしまうだろうと思っていた。そこで環境を変えて仕事をし、はてなで良かったこと・悪かったこと + 別の会社で良いところ・悪いところを両方経験し、自分の視野を広げたいと考えた。

2年ほど前からどこかのタイミングで転職はしようと考えていたところ、コロナ禍の影響もあり、フルリモートを完全に認めてくれる会社が増えてきた。これまでは京都にいて仕事をしようとすると京都か大阪にある場所でなんとか探すしかなかったので、選択肢が一気に増えた今のタイミングで転職すべきだと考えた。

このように、他の文化・環境を経験したいという気持ちと、仕事の選択肢が増えたタイミングが合わさって、今回転職を決断した。

お世話になりました

はてなの皆様、11年間本当にお世話になりました。ほぼエンジニアの経験がないのに、はてなにバイトとして入社させてもらい、優秀な人に囲まれつつ様々な種類の仕事の機会をもらえたことで、エンジニアとして大きく成長できました。今後も京都に住み続けている予定なので、また情報交換してください。