$shibayu36->blog;

クラスター株式会社のソフトウェアエンジニアです。エンジニアリングや読書などについて書いています。

長い期間、継続的にブログを書き続けるための工夫

10年前からブログを始めて、10年間コツコツコツコツ学んだことや考えたことを記事として書き続けてきた。その結果、ついにブログの記事総数が1000記事近くになってきた。10年間かなり頑張ってきたなあと感慨深い。ありがたいことに読者数も1000人ほどいて色んな人に見てもらえるようになり、これも継続的に書き続けたおかげだなあと思う。

f:id:shiba_yu36:20200715162911p:plain:w500 f:id:shiba_yu36:20200715162643p:plain:h300

また、ずっとブログを書き続けてきたことで、以下のような多くのメリットを受けることができた。

  • ブログを書くこと自体が自分の頭の整理に繋がる
  • その後知識を忘れたとしても、ブログを見返せば思い出せる
  • 初めからブログに書くつもりで勉強すると、勉強の効率が上がる
  • 反対意見とかツッコミを入れてくれる人が出てきて、自分の思い違いを正したり、より考えを洗練させることができる
  • 記事を書き続けていると意外と読者が増えていて、気合を入れた記事を書いた時もみんなに見てもらえる
  • 完全公開の場で書いているので、例えば転職などして会社の情報にアクセスできなくなったとしても問題ない


これだけずっと書いてきて、それにより色んな良いことを経験してきたので、今日は長期間継続的にブログを書き続けるために、自分がどういう工夫をしてきたかを書いてみる。

  • 工夫1: 読まれるかどうかを意識せず、自分のために書くくらいの意識でいる
  • 工夫2: これ書いてみても良いかもと思ったらその日に最低限公開できる状態にしてしまう
  • 工夫3: 記事の質を重視しすぎない

読まれるかどうかを意識せず、自分のために書くくらいの意識でいる

まず気持ちの持ちようとして、書こうとしている内容が読まれるか・周りの人に役立つかを意識せず、全てのブログ記事は自分のために書いているくらいの意識でいるようにした。これが継続的に書くために大きく寄与したと思う。

読まれるかどうかを意識してしまうとブログを書くことに対するハードルが上がりすぎて、何も書けなくなってしまう。また「これは読まれるだろう」と期待しすぎてしまい、思っていたより読まれなかった時に意気消沈して続けられなくなってしまう。

そのため、「全てのブログ記事は自分のために書いている」くらいの意識でいるのが丁度良いと思っている。この意識でいれば、たとえ読まれなかったとしても自分のためにはなったなあと思うことができ、意気消沈せず、ずっと書き続けられる。

これ書いてみても良いかもと思ったらその日に最低限公開できる状態にしてしまう

書いても良いかもと思ったら当日に公開できるレベルで書いてしまうように工夫したのも、継続的に書けた要因だと思う。

「書きたいネタだ!」という思いは日を置くと薄れてしまう。そのため、当日にちょっとだけ書いてまた次の日に書こうと思っていても、次の日にはやる気が出ず、結局お蔵入りということがよく起こる。結果として、公開していない下書きがひたすら増えていってしまい、最終的に公開した記事は少なくなってしまう。

これを防ぐため、思いついたらとにかく最低限公開可能なところまで当日中に書ききってしまうように心がけていた。最低限公開可能な状態にまでしておけば、やる気が出なかったらそのまま公開したら良いし、やる気が出たらより質を上げるということも出来る。

このように最低限公開できると思える状態まで当日に持っていくように心がけたので、記事をどんどん公開していけたのだと思う。

記事の質を重視しすぎない

さらに、最低限公開できると思うレベルを上げすぎると一切公開できないと思ったので、記事の質を重視しすぎないことも意識した。これも継続的に書き続けられた要因になった。

質を意識しすぎると書き出せなくなるし、書き終えた後に「これで良いのかな?」というのを確認しすぎると公開できなくなってしまう。そのため、読みやすさなどの質は自分がある程度理解できればそれで良しとし、さらにその記事を公開することで問題が起こらないのであれば、あまり質を気にせず公開するようにしていた。

具体的な工夫でいうと、例えば推敲しすぎないようにしていた。自分の中では「推敲は最大2回」というルールを決めて、このチェックが終わって全体が分かりづらかったとしても諦めて公開してしまう。

このように質を重視しすぎないことで、記事を書き始めるハードルも下がり、公開するハードルも下がったので、結果的に多くの記事を公開できたと思う。

まとめ

今回は、10年間ずっとブログを書き続けてこれたので、それが出来るために行った工夫について書いてみた。とにかく継続的に書いていると良いことがいっぱいあるので、参考になると嬉しい。

参考

メンターを初めて経験する人に、最初に読むものとしてオススメしている書籍たち

こういうツイートして、そういえば社内でメンターを初めて経験する人にオススメしている書籍たちを外部に公開してないなと思ったので紹介してみます。

メンタリングのスキルを学習する時のキーワードは「コーチング」と考えていて、以下の書籍を推薦しています。上から順におすすめ順になっています。この推薦は網羅的にコーチングを学べると言うより、初めての人でもとっつきやすく読みやすいものであることを意識して選んでいます。また、メンタリングを始めるだけなら、書籍の全部分を読む必要はなく、どこまで読んでおくと良いかも書いています。

  • エンジニアリング組織論への招待
  • ザ・コーチ
  • コーチングの基本
  • 新1分間マネジャー

エンジニアリング組織論への招待

  • 2章まで読むとメンタリングに必要なスキルが幅広く学べます
  • 特に1on1などでの問題解決手法を学ぶことが出来ます
  • 自分の読書感想文

ザ・コーチ

ザ・コーチ

ザ・コーチ

Amazon

  • 目標設定の考え方を学べます
  • 説明文だけ見るとスピリチュアルな感じに見えるけど、目標設定のことを勉強するには読みやすいと思います
  • 小説形式で教えてくれるので、合わない人は合わないかもしれません
  • 自分の読書感想文

コーチングの基本

  • 1章の「コーチングとは」の章が、コーチングのことをコンパクトにまとめていて参考になります
  • それ以降はコンサル感も強く、合わない人も多いかもしれません

新1分間マネジャー

  • マネージャーとしての簡単なエッセンスがまとまっています
  • 目標設定の考え方や、褒めることの重要性を学べます
  • これも小説形式
  • 自分の読書感想文

その他参考資料

以前僕が書いたブログ記事も良ければ参考にしてください。

まとめ

今回は社内でメンターを初めて経験する人に、最初に読むものとしてオススメしている書籍たちを自分のブログでも紹介してみました。それぞれ自分の読書感想文もあるので、そちらも参考になれば。

ちなみに僕はまだ読んでないのですが、たくさんの人にオススメされている本として以下の2つがありました。このあたりも時間があったら読んでみたい。

「MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣」読んだ

エンジニアをやっていく上で、ビジネス側の素養もあったほうがビジネスサイドの人からも相談しやすかろうと思い、昔おすすめされていた「MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣」を読んだ。

この本は、決算を読む上で何を重視して読むのか、それぞれのビジネスモデルごとでどういう指標が大事かを教えてくれる。ビジネスモデルごとの売上を決める方程式を教えてくれた上で決算から読み解くという流れになっているので、ビジネスと決算が直接結びつくイメージが付いてよかった。

以下印象に残った部分のメモ。

  • 本に載っている実例を見ると決算を見る時は以下のようなところを見ておくと良い?
    • 売上・営業利益・利益率
    • YoY(対前年比)
    • ビジネスモデルの方程式を抑えて、その指標を見る
    • 競合/類似企業と指標を比較する(特に王者と比較する)
    • 市場規模と比較する
  • 決算を読むときに大事なのは、決算を読む「量」を増やす、時系列で同じ会社の決算書を読み続ける
    • 四半期決算を1時間かけて分析するより、同じ時間で1年分の決算を流し読みする方が発見が多い
    • 流し読みしていると、突然開示される数字や、逆になくなる数字がある。これが「強調したい数字」や「隠したい数字」であることが多い
  • (これは今回の本の論旨とは関係ないけど印象に残った) Amazonの決算資料にある言葉
    • 大企業にとっての一つの共通の落とし穴は「汎用型」の意思決定
    • 意思決定には絶対に後戻りできない「タイプ1の決断」と、そうでもない「タイプ2の決断」の2種類。タイプ2に関しては現場に権限委任して、スピード感を持って決め、失敗したらまたやり直せば良い
    • 組織が大きくなると、多くの「タイプ2の決断」事項も含めて、大抵の決断に厳しい「タイプ1」の意思決定プロセスを選ぶ傾向にある。すると、進行が遅くなり、思慮に欠けたリスク回避をし、十分実験できずに、発明が出来なくなる

読書メモ

* 決算には大きく分けてP&L(損益計算書)、BS(バランスシート)、CFS(キャッシュフロー計算書)がある 169
    * 家計簿になぞらえるなら毎月の収入と支出が書いてあるのがP&LとCFS、家や車などの資産やローンなどの負債について書いてあるのがBS
* 決算短信ではなく、決算説明会資料から読む 179
* 決算を読むときに大事なのは、決算を読む「量」を増やす、時系列で同じ会社の決算書を読み続ける 191 ※
    * 四半期決算を1時間かけて分析するより、同じ時間で1年分の決算を流し読みする方が発見が多い
    * 流し読みしていると、突然開示される数字や、逆になくなる数字がある。これが「強調したい数字」や「隠したい数字」であることが多い
* 決算を読む時は、ビジネスモデルごとに「方程式」を覚えておくと良い 191
* 成長率(対前年比 / YoY)を必ず確認する
* 1社だけではなく、類似企業の決算も分析比較する 227
    * 比較することで違いが浮き彫りになり、意味のある「知識」が見いだせるようになる
    * 同じような事業内容なのに、成長率が大きく異なるなら、その原因がどこにあるか分析する
* ECビジネスの決算 279
    * 方程式: ネット売上 = 取扱高 x 低クレート
    * 1. 各サービスの「取扱高」をチェック、2. 取扱高とネット売上から「低クレート」算出、3.取扱高と低クレート改善のための打ち手を確認
* ECビジネスは他のビジネスに比べてWinner Takes Allが起こりやすいので、「取扱高」が最重要 300
* Amazonの決算資料にある言葉 849 ※
    * 大企業にとっての一つの共通の落とし穴は「汎用型」の意思決定
    * 意思決定には絶対に後戻りできない「タイプ1の決断」と、そうでもない「タイプ2の決断」の2種類。タイプ2に関しては現場に権限委任して、スピード感を持って決め、失敗したらまたやり直せば良い
    * 組織が大きくなると、多くの「タイプ2の決断」事項も含めて、大抵の決断に厳しい「タイプ1」の意思決定プロセスを選ぶ傾向にある。すると、進行が遅くなり、思慮に欠けたリスク回避をし、十分実験できずに、発明が出来なくなる
* FinTechビジネスの決算 973
    * 方程式: 収益の源泉が「フローかストックか」で別
    * お金を預かるビジネス(ストック): 預金残高 x 金利
    * お金を貸すビジネス(ストック): 貸付残高x金利
    * 決済・送金をするビジネス(フロー): 取扱高x手数料パーセント
* 広告ビジネスの決算 1732
    * 方程式: 売上=ユーザー数(特にAU) x ユーザーあたりの売上(ARPU)
    * 類似サービスや競合と比較する時は「ARPU」を比較する
* 個人課金ビジネスの決算
    * 全員課金にすると入り口が狭くなりすぎる場合があるので、無料枠 + 有料会員みたいになることが多い
    * 方程式: 売上 = 広告売上 + 課金売上。ユーザーあたりの売上(ARPU) = 広告ARPU + 課金ARPU
    * 読み解くStep: 1. ARPUを「広告ARPU」と「課金ARPU」に分解。2. 「課金ユーザー数」を増やすための施策を確認。3. 「課金ARPU」を増やすための施策を確認
* 決算を上手に読むための10カ条 161, 4061 ※
    * 1. 他人の家庭の「家計簿」を覗くつもりで読む
    * 2. 必要なのは四則演算のみ
    * 3. 決算短信ではなく、決算説明会資料から読む
    * 4. 企業の「将来」を予測しようとする前に「過去」を正確に理解する
    * (初級者編)
    * 5. 各ビジネスの構造を数式で理解する
    * 6. 各ビジネスの主要な数字を暗記する
    * (中級者編)
    * 7. 徹底的な因数分解で「ユニットエコノミクス(顧客一人あたりの収益性)」を計算する
    * 8. 成長率(対前年比 / YoY)を必ず確認する
    * (上級者編)
    * 9. 1社だけでなく、類似企業の決算も分析・比較する
    * 10. 類似企業間の違いを説明できるようになる
* 決算を読む習慣を付けるためにも、関心がある業界の決算資料を15分と時間を区切って分析を試みる 4072