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クラスター株式会社のソフトウェアエンジニアです。エンジニアリングや読書などについて書いています。

組織設計を体系的に学ぶ - 「組織デザイン」を読んだ

自分は組織での行動やマネジメントの分野に興味があるのだけど、その一貫でそもそも組織とはどう設計していくのかの基礎的な知識を学びたいと思ったので、評価の高い「組織デザイン」を読んだ。とにかく面白く、読んで非常に良かった。学ぶことが多すぎて、読書ノートが膨大になってしまった。

この本では、組織を設計するために必要な「組織」についての基本的な知識を体系的に教えてくれる。これを読めば

  • 組織というのは、分業と調整から成り立っていること
  • 組織形態の基本形である、機能別組織・事業部制組織・マトリクス組織それぞれの特徴
  • 分業の様々なタイプのメリット・デメリット。垂直分業、水平分業、並行分業、機能別分業など。
  • 分業によって得られた成果を統合する事前の調整手段である標準化という考え方
  • 分業によって得られた成果を統合する時の例外への対応であるヒエラルキーという考え方
  • その他成果を統合する際の調整に使える様々な手法の紹介

などということを学ぶことができる。

この本で組織についての基本的な知識を知っておくと、例えば技術組織という存在をどのように運用していくと良いかとか、ある問題が組織構造に起因するものなのかとか、そういうことを考えられるようになると思う。なので、人事の仕事をする時や、技術組織の検討をすることがある場合にまた参考にしたい。

とにかく学ぶことは多かったので、このあたりの知識について気になる人は読んでみることをおすすめ。

読書ノート

11/21 14:20追記 ちょっとたくさん書きすぎて著作権的に怪しい気がして来たので、削除しました。

育休で得られるのは育児のサポートだけではない

最近子どもが産まれて、しかもありがたいことに2ヶ月間育休を取れることになった。育休を取り始めて今2週間くらいなのだけど、育休で得られるのは育児のサポート(サポートという表現は適切じゃないかもしれないけど...)を行うことだけじゃないなと思ったので考えを書いておく。


自分が育休を取ると、妻と一緒に育児を行うことができ、育児の負担を二人で分担することができる。しかし、それだけじゃなく、育休を取ることで以下のメリットを得られると感じた。

  • 育児の大変さを知ることができる
  • 育児のやり方の認識を一致させ、自分一人で全て出来るようになる

育児の大変さを知ることができる

育休を取ってみて、「一日中」育児をするということは非常に大変であるということが分かった。これは当たり前のことだと思うけど、実際に仕事をしていて夜だけ育児をするだけだとなかなか実感できないことだった。

例えば一日中育児をしていると、子どもをものすごく好きだとしても

  • 気づいたら一日終わっていて、なにかを達成したという気持ちを持てなかった
  • たまに疲れ果てて、子どもが泣いていても何もできないことがある
  • なにかよく分からないけど子どもにイライラすることもある
  • 子どもの世話だけで、他のことが一切出来なかった

などといったことを経験する。これは育休を取ってみないと実感として分からなかったことだと思う。

これを実感してしまうと、もし仕事に復帰して育児に関わる時間が減った時、妻が疲れ果てていたり、他の人にイライラしていたり、家事が出来ていなかったりしたとしても、責めることなんてとてもじゃないけど出来ない。こういうふうな気持ちになれると、思いやることも簡単になるので非常に良かった。

育児のやり方の認識を一致させ、自分一人で全て出来るようになる

一日中育児をするという経験を2週間くらいすると、世話をする時って大体こういう方法でやるよねみたいな考え方を妻と大体一致させることができる。さらに考え方を一致させた上でずっと育児を行うので、大体全ての作業を自分一人でも出来るようになる。

育児の共通認識が出来ていると、自分がやっている様子を妻が心配して見ているみたいなことも起こらなくなる。また、育児の作業が大体自分で完結させられるようになったので、もし育休が終わったとしても、例えば一日くらい育児の全てを自分でやって妻には休んでもらうとかも普通にできるようになりそう。

もし仕事が終わってからだけ育児をしていたとしたら、ここまで効率よく全ての作業を出来るようにはなっていないと思うし、昼の作業は身につかないままになっていたように思える。育休をとって一気に身につけることが出来たので良かった。

まとめ

今回は育休によって得られるのは育児のサポートだけでなかったという話を書いた。僕は2か月くらい取っているけど、2週間くらい取るだけでもぜんぜん違うと思うので、父親が育休を少しでもいいから取れるような社会にもっとなってほしいなと思う。

「ウェブオペレーション」読んだ

オペレーションエンジニアがどのように考えて行動しているのかを知りたくて、ウェブオペレーションを読んだ。

この本は、仕事でウェブオペレーションに携わっている人たちが、実際にどのような形で行っているかの事例集をエッセイ形式でまとめたもの。章ごとに書いている人が違うので、体系的にはまとまってはいないが、事例集として参考になる。

ただ、僕はウェブオペレーションという仕事を実際にはあまりやっていなかったので、なかなか共感して読むことが出来なかった。そのため、オペレーションエンジニア・SREがどのように考えているのかということをうまくこの本から学べなかったのが残念だった。

そういう話を同僚にしたら、以下の本を進められたのでまた読んでみたい。